最新の著書『ゼロ』が目下ヒット中のホリエモンこと堀江貴文氏が約10年ぶりとなる作家・林真理子氏との対談に臨んだ。これからの時代、いままでとは働き方がかわるという堀江氏は、林氏の生き方を絶賛した。
林:この本、紙媒体でも出したのは、私みたいな年齢の人にも自分をわかってほしいからですか。
堀江:まさにそこで、紙の本しか読まない人にぜひ読んでほしいということなんです。これからグローバル化の時代に突入していって、高度経済成長時代の製造業中心の働き方とは明らかに変わってくるので、いま僕、この本の先の話をセミナーなんかでしているんです。
林:この本の先の話、ですか。
堀江:はい。いまの若者はこれからできてくる職業につかなきゃいけないんですけど、それが意外とわかっていないので、「いまない仕事を自分でつくり出していくことが必要じゃないか」みたいなことをけっこう言っているんです。アイスマン福留さんってご存じですか。
林:存じ上げないです。
堀江:コンビニアイス評論家という職業の人がいるんです。コンビニのアイスって年間300種類以上出るらしいんですけど、それらを毎日食べて、レビューする職業なんです。アイス特集みたいなのが雑誌やテレビであるじゃないですか。アイスマン福留に取り上げられるとそれなりに情報が拡散するって知っているから、みんな取り上げるんです。いま、そういう時代なんですよ。
林:それだけで食べられます?
堀江:1人だったら食べられます。これからグローバル化の時代で、いままでのやり方をやっていると、すごく生きづらくなると思うんです。一生同じ仕事をやらなきゃいけないとか、同じ組織に所属しなきゃいけないと思い込んでる人たちって多いじゃないですか。だから、その意味でも林さんが書かれた『野心のすすめ』は本当にいい本でしたよ。あの時代によくあんなことができましたよね。それこそ林さんの生き方って一種のロールモデルなんですよ。
林:そうですかね。
堀江:ちょっと行き過ぎな部分はあるのかもしれないけど、今の時代、行き過ぎているぐらいの人たちを手本にしたほうがよいと思います。たとえばAKB48の衣装を特注して、「AKBの子と一緒に踊って」って言われて、本当に踊る人って、たぶん林さん以外にいないと思う。
林:えっ、そうかな。秋元さんから「同じ衣装つくってあげるから踊って」って言われたら、みんな大喜びで踊ると思いますよ。違う?
堀江:いや、みんな断ると思いますよ。世の中の99%は、AKBの衣装着て一緒に踊らない人ですね。
林:そうなんだ。私この前、きゃりーぱみゅぱみゅの衣装を着て歌って踊っちゃったけど(笑)。
※週刊朝日 2013年12月20日号