あなたの周りに「こじらせ女子」はいませんか? こじらせるといっても風邪ではない。彼女たちが持て余し、もつれさせ、面倒なものにしているのは「女性である自分自身」だ。
この語の生みの親は、ライターの雨宮まみ氏(36)。2011年、AVライター出身の氏が、自らの半生をつづった著書『女子をこじらせて』から派生した言葉だ。氏はインタビューなどで、こじらせ女子についてこう語る。
「世間がいう『女のコって可愛いよね』の中に自分を当てはめられない女子です。ルックスは普通なのに、自分の内面では女子力が低いと悩んでいる。自分に対するダメ出しが激しくて自信を持てないのです」
都内の女性会社員(37)は、典型的なこじらせ女子である後輩(34)との接し方に悩み、ため息をつく。
「30歳を過ぎているのに、毎日すっぴんで出勤。ヘアスタイルは黒髪ストレートといっても、手入れもしていないザンバラ髪。社会人の女性が人前に出るときメークをするのはマナーの範疇だと思うので、それとなく注意すると『私は化粧すると顔が濃くなって似合わない』と言う。濃いのではなく、ずっとメークしてこなかったから、技術的に下手なだけだと思う」
ファッションにおける嗜好はそれぞれだが、ことビジネスにおいては、身だしなみを整えることはマナーのひとつでもある。身ぎれいにすればいいじゃないかと考えがちだが、そう簡単にはいかない。これが自分自身をこじらせるゆえんだ。
『くすぶれ!モテない系』などの著書があり、こじらせ女子を自認する作家、能町みね子氏(34)がこう解説する。
「自分が女性であることを素直に受け入れられない結果が、こじらせです。かわいい服を着る、料理をする、結婚して子どもを産む……今の社会が女性に求める役割と、ストレートに向き合えないのです」
※週刊朝日 2013年9月27日号