プロデビュー戦で必殺の右ストレートを繰り出す村田 (c)朝日新聞社 @@写禁
プロデビュー戦で必殺の右ストレートを繰り出す村田 (c)朝日新聞社 @@写禁
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 ボクシングの中でも軽量級のスピードと重量級のパンチ力を兼ね備え、最も選手層の厚い階級であるミドル級。村田諒太(27)はその中で東洋太平洋王者相手に2ラウンドTKO勝ちと鮮烈なプロデビューを果たした。

 村田は世界一のプロモーターと言われるボブ・アラム氏のお眼鏡にかない、契約を果たしている。来年にはアラム氏の仕切りで、3戦目をシンガポールで行う計画も持ち上がっている。「ボクシング・マガジン」の初代編集長で、現在は「ボクシング・ビート」の編集に携わる前田衷(まこと)氏は「アラム氏はシンガポールをアジアのボクシング興行の拠点の一つにしたいと考えています。村田の試合をきっかけに、シンガポールでのボクシング人気を盛り上げたいと考えているのです」と語る。

 日本で唯一、ミドル級世界王者となった竹原慎二氏(41)は「あのアラムの期待に応えていけば、ゆくゆくはラスベガスで興行のメーンを張り、日本人初のファイトマネー数十億円というプレーヤーになれるかもしれない。そういう可能性を持った男です」。

 ただ竹原氏によると、世界の頂点を目指すには、課題がいくつかあるという。

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