接戦だった神奈川県の横須賀市長選挙が6月30日に行われ、自民党のプリンス、小泉進次郎衆院議員(32)が選対本部長をつとめ、自公が推薦した広川聡美氏(61)は、現職の吉田雄人(ゆうと)氏(37)に約1万票差で敗れた。プリンスが負けた相手とはどんな人物なのか?
吉田市長は市長1期目で公約に掲げた「市長専用のトイレは贅沢なので使わない」「市長室の応接室からシャンデリアを取り外す」「市長専用の黒塗りの公用車をやめる」などを次々と実行していった。だが、高校時代から親友だった横須賀市会議員の藤野英明氏(39)は、吉田市長の1期目の市長選挙では応援したが、今回は、敵陣営の広川氏を応援したという。
「政治家としてはあんまり尊敬できなくなった。社会保障や社会福祉に彼はとても弱い。その一方で、選挙好きって言ったらいいのかな。午後5時15分に市役所が終わり、午後5時20分には駅立ちをやっていた。そういうふうに選挙をまず一番に考えてしまうということに、僕は賛成ができなかった」
吉田市長を応援する中小企業約530社の集まり「横須賀経済雄援会」の会員で、元県議の嘉山照正氏は衆議院選挙では進次郎氏を応援しているが、市長選では吉田市長の支援に回っていた。その理由をこう語る。「進次郎さんが推すからといって投票するわけではない。吉田市長はスキンシップをとっても大切にする人で、一人ひとりに語りかける。市民は自分に身近な人を選んだということだ」。
吉田市長は2人の子どもや支持者たちから「ユーティ」というあだ名で呼ばれているそうだ。
さらに吉田市長は鎌倉市、逗子市などの近隣各市をはじめ、佐賀県武雄市などの遠方の首長や市議らとも交流がある。「日本全国、どこにでも顔を出し、いざ、お互いの選挙になれば、応援し合っています」(嘉山元県議)。
いずれ、吉田市長が高校時代に言っていた夢、「総理大臣」を目指すのであれば、進次郎氏の好敵手になることは間違いないだろう。
※週刊朝日 2013年7月19日号