シアトル・マリナーズの川崎宗則内野手(31)、アリゾナ・ダイヤモンドバックスの斎藤隆投手(42)、テキサス・レンジャーズの建山義紀投手(36)などは、来季も大リーグ残留を希望しているが、いずれも再契約は厳しい見通し。

 そんななか、 今オフもまた米国へ渡る選手が出てくるだろう。 西武の中島裕之内野手(30)、 阪神の鳥谷敬内野手(31)、 藤川球児投手(32)、 日本ハムの田中賢介内野手(31)らの名前が挙がっている。 だが、野球ジャーナリストは暗い見通しを語る。

「中継ぎ投手として期待される藤川を除けば、いずれも条件面はかなり悪く、レギュラーを確約されるようなオファーはないでしょう。ここ数年の日本人野手の不振もあって、評価はガタ落ちしていますから」

 誰も彼もが大リーグに挑戦し、跳ね返されて帰ってくるたび、日本人選手の評価が下がる。こんな流れに警鐘を鳴らすのが、野球解説者の江本孟紀さんだ。

「みんなアメリカの過酷な環境ですり減って、劣化して帰ってくる。これは日本球界にとってむしろマイナス。イチローやダルビッシュ(有投手)のような飛び抜けた選手がアメリカで大稼ぎしてくるのは痛快だけど、それを見て『おれもやれるかも』なんて思うのは愚の骨頂です」

 江本さんは「出戻り選手」を高給で迎える日本の球団にも問題があると指摘する。

「出戻りばかりとるのなら、2軍なんか廃止すればいい。若手を使う気がないのでしょうから、育てる意味もない。阪神も今年は何人とるつもりか知りませんが、フロントはアホですよ」

※週刊朝日 2012年10月26日号