伊豆急下田駅で手を振る皇太子ご一家 (c)朝日新聞社@@写禁
伊豆急下田駅で手を振る皇太子ご一家 (c)朝日新聞社@@写禁
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 天皇、皇后両陛下は10月13日、自らの危険をかえりみず、福島第一原発の近くで除染作業を視察した。まさにその日、東京では愛子さまの運動会を巡ってドタバタが繰り広げられていた。その一日を追った。

 午前6時半、東京・四谷の学習院初等科の周囲は緊張した空気に包まれ、正門周辺にスタンバイする報道陣と警戒する警察官らの間で、とげとげしい視線が飛び交っていた。現場にいた皇室ウオッチャーがこう解説する。

「昨年は皇太子さまと雅子さまが座る父母席を確保するため、早朝から高齢の東宮職侍従を並ばせ、各週刊誌に批判されました。今年も同じことをさせるのではないかと、各社が注目していたんです」

 果たせるかな、校門前に並んだ保護者の列の先頭には、運動会には似つかわしくないグレーや黒のスーツ姿の東宮職員の姿があった。

 職員たちは視線が気になるのか、しきりに振り返って後方の報道陣に目をやる。午前7時半に校門が開くと、そそくさと校内に入っていった。

 皇室ジャーナリストの神田秀一さんは、呆れたようにこう語る。

「昨年、あれほど『席取り』を批判されたのだから、一般の父母席ではなく特別席を用意すべきだったのではないでしょうか。無理に一般人と同じ扱いにするから混乱するんです学校と東宮側が調整すべきなのにその形跡がなく、いつも同じ失敗を繰り返している印象を受けますね」

週刊朝日 2012年10月26日号