松本秀男(まつもとひでお)/医師。専門はスポーツ医学。1954年生まれ。東京都出身。1978年、慶応義塾大学医学部卒。2009年から2019年3月まで、慶応義塾大学スポーツ医学総合センター診療部長、教授。トップアスリートも含め多くのアスリートたちの選手生命を救ってきた。日本臨床スポーツ医学会理事長、日本スポーツ医学財団理事長
松本秀男(まつもとひでお)/医師。専門はスポーツ医学。1954年生まれ。東京都出身。1978年、慶応義塾大学医学部卒。2009年から2019年3月まで、慶応義塾大学スポーツ医学総合センター診療部長、教授。トップアスリートも含め多くのアスリートたちの選手生命を救ってきた。日本臨床スポーツ医学会理事長、日本スポーツ医学財団理事長
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※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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 スポーツ競技の最中に、選手がけがや病気で倒れると、即座に駆けつけて状態を的確に見きわめるスポーツドクター。そんな姿にあこがれて、スポーツドクターを目指す人が少なくないそうです。ですが、スポーツドクターの出番となる試合や大会は、いつもあるわけではありません。競技がないとき、スポーツドクターたちは何をしているのでしょうか? それだけで生活をまかなえる収入はあるのでしょうか? これらの素朴な疑問に、日本スポーツ医学財団理事長の松本秀男医師に答えてもらいます。

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 スポーツドクターの中でも、トップレベルのスポーツの試合に登場する会場ドクターは、テレビ中継で姿を見る機会も多い「花形職業」といえるでしょう。また、各チームのベンチの中には、日頃は選手たちの健康管理やパフォーマンスの維持・向上に努めながら、試合当日は選手たちのプレーをそばで見守る、チーム所属の帯同ドクターの姿が光ります。

 スポーツに関わる仕事をしたいと願う医学生や医師にとって、そんな会場ドクターや帯同ドクターのような「現場で活躍するスポーツドクター」は、あこがれの職業です。しかし、その仕事だけで食べていけるドクターというのは、世の中にいったいどのくらいいるのでしょうか?

 実際、それほどのスポーツドクターは日本ではほんの一握りしかいないでしょう。たとえば、サッカーのJ1リーグのチームに所属する、専属スポーツドクターのトップなど、ごく限られた人であれば十分な契約料がもらえる可能性があります。しかし、そのような例はほかのスポーツではあまり聞かれません。

 現場に出ているほとんどのスポーツドクターは、普段は病院やクリニックなどに勤務して、日常診療をおこなっています。その仕事はさまざまで、診療科も内科、脳神経外科、婦人科、精神科など、整形外科だけに限りません。一般の患者を診ている人も、スポーツ選手を診ている人もいます。そこで、給料をもらいながら、試合のある時だけ要請に応じて休日をとってスポーツ現場に出ているのです。

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大きな大会以外は報酬はナシ。ほとんどボランティアに近い