■セカンドオピニオンとるべきケース

 子宮頸がんのうち、約7割を占める扁平上皮がんは放射線治療が有効だ。IB期~II期の場合、手術と放射線治療の治療成績に差はない。千葉大学病院の三橋暁医師はこう話す。

「手術をしても再発リスクがある場合は、追加で放射線治療が必要です。治療成績は同じですが、放射線治療のみのほうが治療後の副作用は少なくてすみます。ただし、放射線治療は腸閉塞や排尿障害などの晩期障害が出ることがあり、なるべく合併症を起こさないような精度の高さも必要です」

 高齢者なら手術の負担を考えて放射線治療、若い人なら晩期障害のリスクを考えて手術を選ぶ傾向があるという。

「手術は放射線治療に比べて治療期間が短く、切除した組織を使って術後の診断を正確にできることがメリット。合併症率は医師の技術にも左右されます」(川名医師)

 子宮・卵巣がんは条件によっては、妊娠の可能性を残せる。

「もし妊娠を希望しているにもかかわらず子宮を全摘すると言われたら、妊孕性温存治療を実施している病院でセカンドオピニオンを聞いてください」(川名医師)

≪セカンドオピニオンをとるべきケース≫

ケース
子宮体がんで開腹か腹腔鏡か迷う場合

早期の子宮体がんは、腹腔鏡手術に保険が適用される。病院によってはほとんど実施していないので、希望する場合は、経験数が多い病院で話を聞くこと。

ケース
将来妊娠を望んでいるのに子宮を全摘すると言われた場合

条件によっては、妊娠を目的として子宮を温存できる。ただし、実施できる病院は限られる。相談してもそうした病院を紹介してもらえず、全摘すると言われたら、要注意。

■ランキングの読み方と病院選び

 週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2020』に掲載している手術数ランキングでは子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がんのそれぞれの手術数を確認してほしい。

「子宮頸がんと子宮体がんの手術は別もの。特に子宮頸がんは合併症が起きやすいので、数だけではなく、手術の質が重要です」(川名医師)

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手術数と放射線治療数の割合から病院の方針がわかる