YouTubeについて、視聴者を取り合うとか、シェアを奪い合うという言い方をする人もいますが、ニッチなジャンルでない限り、該当しにくい事象です。プレーヤーが増えれば視聴者の数も増えるからです。
魚だけを見て、海が見えていないYouTuberは、一生懸命に魚を取って小さな水槽に入れようとしますが、YouTuberは金魚の屋台をするわけではありません。大きな海で巨大な魚の群れを回遊させるイメージです。これを正しく認識していると、効果的に動画を作ることができ、関連動画の波に乗ってチャンネルが伸びます。
同じような事象が、YouTubeの外側にも当てはまります。先日、YouTuberの国内最大手の事務所であるUUUM(ウーム)の決算が発表されました。以前に比べて増収が鈍化したため決算後に株価が下落しました。
YouTubeに関わる事業をする企業の数は増加していますが、現在、UUUMの一強という状態が2年以上続いています。これは、望ましい状態ではありません。
経済学的に言うと、市場が最大化するのは独占状態ではなく、数社の強い企業が存在する寡占状態だからです。
YouTubeの動画と同じで、顧客を回遊させる漁師が必要です。UUUMの他にも、同じような規模の事務所や企業が数社は必要で、そうならないと、市場の拡大速度に比べて成長が鈍化すると思います。
よりYouTubeの市場が盛り上がり、活性化するためには、UUUM以外にも有力なYouTube関連企業が何社か現れ、共に成長していく姿勢が必要だと思います。