なお、2020年は半沢直樹イヤーであるとともに、オリンピックイヤーでもある。そのため、4月クールのドラマにある大変革が起きているという。
「7月クールのドラマは東京オリンピックとバッティングしてしまうため、各局では『絶対に視聴率が獲れない』と言われており、4月期のドラマに予算を集中させる動きがあるんです。そのため、固く視聴率を獲れそうな“続編モノ”が数多くラインナップされていて、『半沢直樹』以外にも、篠原涼子主演の『ハケンの品格』、織田裕二主演の『SUITS』、そしてキムタク主演の『BG~身辺警護人~』も4月期で内定しているとか。続編モノはスケールアップが必須のため意外と予算がかかってしまうのですが、各局制作費を上乗せしてでも4月期のドラマで視聴率を獲りまくると意気込んでいます。ただ、期待値で言えば、やはり『半沢直樹』の圧勝になると思います。前作の最終回が42.2%ですから、今回は50%越えを目指しにいくでしょうね」(前出のプロデューサー)
果たして7年ぶりの続編はどれほどの反響を呼ぶのか。ドラマウオッチャーの中村裕一氏は次のように分析する。
「年明けから『半沢直樹イヤー』と銘打って大々的なキャンペーンを掲げ、来年のNHK大河ドラマの主演俳優である吉沢亮をキャスティングした異例とも言えるスピンオフまで作るところに、TBSの並々ならぬ本気度が存分にうかがえました。放送当日まで厳戒態勢を敷き、半沢役の堺雅人と渡真利役の及川光博のゲスト出演を完全にシークレットにするあたりも、かなりの気合いの入りようだと言えるでしょう。ドラマファンとしては、出向を命じられて驚く半沢のアップで終わった前作の最終回のクリフハンガーがあまりにも衝撃的だったこともあり、この7年、続編への渇望は高まるばかりでした。オリンピックイヤーの高揚感と相まって、最終回の視聴率が驚異の50%越えでフィニッシュすることも決して夢ではないと思います」
とにもかくにもあれから7年――。平成のドラマ史上最大のヒット作が、令和の時代にどう受け入れられるのか。ヒット作の続編モノがひしめき合う4月クールは、とにかくテレビにくぎ付けになりそうだ。(藤原三星)