足立:本当に毎日読むかどうかはわからないけれども、他の日本のニュースアプリにはない、まったく新しい機能。オンリー・ワンの独自性ということですね。

西口:そこに「勉強できますよ」という便益を付加することによって、スマートニュースを認知しているけれどもダウンロードしていない人、そもそも認知していない人たちが、一気にダウンロードしてくれたわけです。

足立:英語ニュースの次にやったのが、大ヒットした「クーポン」ですね。

西口:マクドナルド時代の足立さんにもお手伝いいただきましたね。従来のアプリのクーポンは、マクドナルドや吉野家やガストなど、それぞれの会社のアプリを開けないといけないし、開けてみるまで今日は何のクーポンが出ているのかわからないという状態でした。そこに潜在的なニーズがあるということは、すでにわかっていました。ターゲットの人たちにスマホを見せてもらったら、半分以上の人は何らかの飲食のアプリを入れていてクーポンを使っていました。「じゃあ、これをまとめたらすごく新しいだろう」と。実際、こんな機能があったらどうですかと聞くと、認知しているけれどもダウンロードしていない人、そもそも認知していない人はもちろん、スマートニュースの既存のユーザーにも評価が高かったわけです。つまり全面的に好評で、これをやったら、今のユーザーももっと使おうとなるし、離反している人も戻ってくるし、使っていない人もダウンロードしてくれるというのが見えたわけです。

足立:飲食のクーポンは毎日使いますからね。それは強いはずですよ。

西口:「タイムセール」もわりと人気なのですが、ユーザーが欲しいモノが出たときにだけ使うものなので、なかなか毎日の習慣にはなりにくく、日常習慣性は弱いわけです。日常生活にひもづいた情報を発信するというのがスマートニュースのミッションなんです。なので、まだユーザーになっていない人たちにどうやったら響くんだろうと、ずっとターゲットに対するインタビューを繰り返しているわけです。

足立:インタビューというのは、9セグマップに沿ったグループインタビューとかですか。

西口:グループインタビューをやる時もありますが、一番いいのは、自分が普段会っている人たちに聞くことです。「スマートニュースを知っていますか?」「使っていますか?」「どのくらい使っていますか?」「次に使おうと思っていますか?」という質問だけで、その人が9つのセグメントのどこに当てはまるかわかります。そして、その人が普段、スマートニュースに近しいどんなサービスを使っているのかなどを聞いていきます。スマホを見せてもらって、どんなアプリが入っているのかがわかると、だいたい「仮説」が見えてきます。そうしたら「こんな機能があったらどうですか?」などと、さらに聞いていくわけです。

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