■菅田将暉のような役者になるか?

 では今後「心くん」はどうなっていくのだろうか。

 このところ、人気子役が成長とともに挫折するパターンは減り、たとえば神木隆之介のように、ルックスと実力を併せ持つような青年俳優になることも増えてきた。これは現役の子役たちにとって、ひとつのモデルケースだろう。

 そこで思い出すのが、3年前の大河ドラマ「おんな城主 直虎」だ。彼は菅田将暉が演じた井伊直政の子供時代の役だった。当初、人気者同士を豪華に組み合わせただけのリレーに思えたのだが、このふたり、顔立ちも意外と似ていることに気づかされた。ということはつまり、菅田のような俳優になって今とは違うかたちで活躍することになるかも、と推測することもできる。

 ただ、今とは違うかたちで、というのはあくまで「声変わり」を想定してのものだ。ところが、弱ったことに、あの声としゃべり方ではない彼をまったく想像できないのである。そこが「心くん」の天才子役たるゆえんでもあるが、はたして、どんなイメチェンが待っているのか、心をザワザワさせながら楽しみにするとしよう。

宝泉薫(ほうせん・かおる)/1964年生まれ。早稲田大学第一文学部除籍後、ミニコミ誌『よい子の歌謡曲』発行人を経て『週刊明星』『宝島30』『テレビブロス』などに執筆する。著書に『平成の死 追悼は生きる糧』『平成「一発屋」見聞録』『文春ムック あのアイドルがなぜヌードに』など。

著者プロフィールを見る
宝泉薫

宝泉薫

1964年生まれ。早稲田大学第一文学部除籍後、ミニコミ誌『よい子の歌謡曲』発行人を経て『週刊明星』『宝島30』『テレビブロス』などに執筆する。著書に『平成の死 追悼は生きる糧』『平成「一発屋」見聞録』『文春ムック あのアイドルがなぜヌードに』など

宝泉薫の記事一覧はこちら