4位および6位以下は、これまで紹介した鉄道事業者の路線が続くので、箇条書きで紹介する。
第4位 三陸鉄道 久慈~釜石間:126.4キロ(上り1本のみ)
第6位 JR九州・肥薩おれんじ鉄道 八代~隈之城間:119.5キロ
第7位 肥薩おれんじ鉄道 八代~川内間:116.9キロ
第8位 青い森鉄道 三戸~青森間:116.4キロ
第9位 IRいしかわ鉄道・あいの風とやま鉄道 金沢~泊間:108.5キロ
第10位 青い森鉄道・IGRいわて銀河鉄道 盛岡~八戸間:107.9キロ
■第11位 東武鉄道・野岩鉄道・会津鉄道 新栃木~会津田島間:101.8キロ
ここまで見てきてお気付きの通り、私鉄の路線網で上位の近鉄、東武、名鉄といった大手私鉄はランクインせず、11位になってようやく東武鉄道、野岩鉄道、会津鉄道の3社直通列車が登場する。
東武鉄道と他社線の直通列車とはいえ、大手私鉄では唯一の100キロ超え鈍行である。車両は東武鉄道6050系(日によって野岩鉄道所属車、会津鉄道所属車が使われる)2両編成で運転される。
現在は下り1本のみ設定で、317列車は新栃木を14時45分に発車。途中駅で特急の待避や待ち合わせをすることもなく、新藤原から野岩鉄道、会津高原尾瀬口から会津鉄道に入り、会津田島には17時02分に到着。所要時間は2時間17分。
なお、第14位に東武鉄道線内で完結する南栗橋~新藤原間93.2キロ(下り3本のみ)がランクインする。
■長大路線の私鉄はなぜ入らない!?
調べてみて意外だったのは、路線網が広い大手私鉄や地下鉄を介した相互直通列車が上位にランクインすると思われたが、上位10位には1つも入らなかった。昔と比べて区間運転が増えていること、そして何よりも距離が長い列車は特別料金が不要とはいえ、急行や準急などで設定されていて、鈍行(各駅停車)となると上位には入らないのである。
参考までに、日本最大の私鉄、近鉄の大阪上本町~五十鈴川間(近鉄大阪・山田・鳥羽線経由)は139.1キロもあるが、種別が料金不要の「急行」になる。
また、長いと思われている中央林間~南栗橋間(東急田園都市線、東京メトロ半蔵門線、東武伊勢崎線・日光線経由)でも98.6キロと100キロに届かない。取手~伊勢原(JR東日本、東京メトロ千代田線、小田急小田原線経由)では100.3キロと100キロ越えになる。三崎口~成田空港間(京急本線・久里浜線、都営浅草線、京成押上線・成田スカイアクセス線経由)で141.8キロとなるが、それでも1位に及ばない。いずれも地下鉄内では鈍行(各駅停車)だが、両端の私鉄線内は「急行」など停車駅の少ない種別になる。
私鉄の長距離列車は奥が深いのである。(文/岸田法眼)