■小出義雄(マラソン・80歳)

 高校時代は全国的に無名だった高橋尚子の才能を見出し、シドニー五輪で金メダリストになるまでに育てた上げたマラソン界の名伯楽。その他にも、バルセロナ、アトランタ五輪で2大会連続のメダルを獲得した有森裕子、世界陸上で優勝した鈴木博美ら、数々の名ランナーの成長を後押しした。昭和の過度なスパルタでの指導法を否定し、「褒めて育てる」指導で選手の育成を図った。髭を蓄えた柔和な笑顔で高橋の愛称である「Qちゃん」と語りかける様子は、小出氏の人柄をよく表してた。

■ディープインパクト(競馬・17歳)

 アスリートという枠には当てはまらないかもしれないが、日本競馬史上最強との呼び声もある名馬で、競馬ファンを幾度となく熱狂させた。2005年に史上2頭目となる無敗での三冠馬になるなど、数々の偉業を成し遂げた。凱旋門賞には2006年に出走し、結果的には失格となったが、残り300メートル地点で先頭に立ち、勝ちを予感させる走りで競馬ファンに夢を与えた。引退後は種牡馬となり、産駒の馬が海外のG1を制するなど、ディープインパクトの名前は未だ競馬界に多大な影響を与え続けている。

■ハーリー・レイス(プロレス・76歳)

 日本ではジャイアント馬場、アントニオ猪木らと激闘を繰り広げた「ミスタープロレス」。端正な顔立ちから「美獣」とのニックネームもあった。母国アメリカでも伝説的なレスラーと知られ、NWA世界ヘビー級王座を通算8度獲得し、2004年にはWWEの殿堂入りを果たすなど、日米のプロレスファンに愛された。引退後は小橋建太らと交流を持ち、日本のプロレス界との結びつきは非常に強かった。

■ジーン・バッキー(野球・82歳)

 海外出身(米国)の投手として初めて沢村賞を獲得した右腕。当時阪神の監督だった藤本定義氏の目に留まり来日すると、数年間にわたって主力の投手として活躍した。沢村賞を獲得した1964年には29勝9敗、200奪三振、防御率1.89と圧巻の投球を披露し、最多勝と最優秀防御率のタイトルも獲得。歴史に残る巨人との大乱闘を起こし、マウンドでは気性の粗さも目立ったが、日本語を覚えチームに溶け込むなど、ファンに愛された助っ人でもあった。

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プロ野球の伝説的左腕も…