綾菜との結婚生活も9年目を迎えた加藤茶(C)朝日新聞社
綾菜との結婚生活も9年目を迎えた加藤茶(C)朝日新聞社
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 高齢の男性芸能人が年の離れた若い一般女性と結婚すると、女性の側が財産目当てだと批判されることがある。中でも、最も激しいバッシングにさらされたのが、加藤茶の現在の妻である加藤綾菜だ。

 2011年、当時68歳だった加藤茶は23歳だった綾菜と結婚した。男性芸能人が年下の若い女性と結婚すること自体は珍しくないが、45歳も年が離れているのはさすがにめったにないことだった。

 その後、財産目当てだという疑いをかけられた綾菜にはさまざまな疑惑が持ち上がった。当時、疑惑を裏付けるような証拠が次々にネット上で紹介され、話題になっていた。

 例えば、ガラの悪い若い男女の集団が茶を取り囲んでいる有名な写真があった。綾菜はそんな友人たちと連日パーティーを開いて豪遊していると噂されていた。彼女は茶と一緒にテレビに出たときにも、派手なブランド物の衣装を身に着けていた。

 茶のブログには綾菜の手料理の写真が公開されていたのだが、どれも肉料理や油ものが中心でやたらと量が多かった。70歳前後の老人が食べるにはあまりにもヘビーに見えた。そのため、綾菜はその料理を食べさせることで茶を殺そうとしていると言われた。

 極めつけは、2014年に茶が『鶴瓶の家族に乾杯』(NHK)に出演したときのことだ。茶は笑福亭鶴瓶とロケに出ていたのだが、明らかにぼーっとした様子でやたらと反応が遅く、会話もぎこちない。鶴瓶も思わず番組内で心配するほどだった。

 この様子を見た視聴者の中には「綾菜のせいで茶がここまで弱ってしまった」と思った人もいた。疑惑は確信に変わり、綾菜は金のために伝説のコメディアンを死に追いやろうとする究極の悪妻だということになった。

 しかし、結婚から8年が経った今でも、夫婦の関係は続いていて、茶は元気に暮らしている。ここから綾菜の反撃が始まった。彼女は芸能事務所に所属して、本格的にタレント活動を始めた。夫を殺そうとしている疑惑をかけられ、激しいバッシングにさらされた日々を振り返り、疑惑の釈明を行ったのだ。

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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