マレック:問題は必ず起きるので、リーダーは、自分がやりきれる力を持たなければなりません。他人が辞めても、自分が前に進んでいくという意思が必要です。このような話をすると、僕は、子どもの頃の体験を思い出します。小学校のクラス旅行で見知らぬ町へ行ったのですが、友達と一緒に迷子になってしまいました。すると、友達が座ってしまって、泣き出したんです。その時に気づいたのは、最低な経験をしている時に、ただ座って泣くというのは意味がないということです。何かしらの方法で前に進むべきだと学びました。
ピョートル:探検の途中で迷子になってしまったら、生き延びる方法を模索せざるを得ない。厳しい現実です。それだけ、準備を含めたプロセスが大事だとも言えそうですね。
マレック:ゴールより、進め方のほうが重要です。人生もビジネスも、ゴールがすべてではありません。私も時々、ゴールを変えることがあります。例えば、7人のチームでグリーンランドの山を登っていた時、頂上まであと300メートルだが、もうすぐ嵐が来るという状況に遭遇しました。私がリーダーでしたが、すごく経験のある登山家が一緒に来ていて、彼は「ゴールである頂上まで行かなければならない」と言いました。しかし、私は、「この嵐の状況では私たちのうち複数のメンバーが死亡する可能性がある」と判断しました。そして、みんなで安全な場所まで戻ろうと決めたのです。