“令和のバイプレイヤー”手塚とおる (C)朝日新聞社
“令和のバイプレイヤー”手塚とおる (C)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る

 木村拓哉主演のドラマ「グランメゾン東京」(TBS系)でライバル店「gaku」のオーナー・江藤を演じる手塚とおる(57)の悪党ぶりが話題だ。

【写真】「AERA」の表紙を飾った木村拓哉さんがカッコ良すぎる!

 4話(10日放送)では、『グランメゾン東京』のプレオープンの日に提供されるコース料理で、魚料理に使うウニが処理されておらず、危うくメニュー変更の危機を迎えるが、祥平(玉森裕太)の助けで難を乗り越えた。江藤が刺客として送り込んだ柿谷(大貫勇輔)がウニの下処理をせずに抜け出し、2人はプレオープンが台無しになるさまを予想していたがSNSにアップされたのは、ウニ料理を絶賛するお客の声と画像だった。

「この時『ウニ出とるやないかい!』と絶叫する江藤のいやらしい顔がなんとも秀逸でした。SNSでも『江藤さん、憎たらしいけど、クセになる』『手塚さんの演技マジすごい。嫌いになりそうだけど好き』といった書き込みが多く大反響でした」(テレビ誌ライター)

 手塚といえば1983年に蜷川幸雄の舞台「黒いチューリップ」でデビューし、舞台俳優として実績十分。ドラマ「半沢直樹」(13年・TBS系)でも、イヤミたっぷりの銀行員として登場し注目を集め、「ルーズヴェルト・ゲーム」や「HERO」「フラジャイル」といった話題作に出演した。またバラエティ番組「スカッとジャパン」(フジテレビ系)でも「ネチネチ、ケチケチ」なドケチなパパ役の怪演を見せている。

 「『アウト×デラックス』(フジテレビ系・15年)に出演した時に、高校時代、学校で筆談で過ごしていたというエピソードを披露していました。小学校の変声期を迎えるころに、声が高かったそうで、その時に笑われた記憶があり、自分の声は変なんだと思いこみ、一切喋らず『はい』『いいえ』と返事を書いた紙を渡していたと言います。そういった“変人”な面が今の演技につながっているのではないでしょうか」(芸能リポーター・川内天子)

 平成でドラマにもなった「バイプレイヤーズ」といえば大杉漣さん、松重豊、光石研、遠藤憲一、寺島進、田口トモロヲの6人だが、手塚は令和のバイプレイヤーズの一人といえる。

「現ドラマでいえば、手塚はじめ、『ハル~総合商社の女』(テレビ東京)の山中崇や野間口徹、『ミリオンジョー』の津田寛治、『モトカレマニア』の小手進也、他に滝藤賢一、田中哲司、大倉孝二などが令和のバイプレイヤーズだと思います」(川内さん)

 映画関係者は「主役をより輝かせるのが脇役の力」だという。
「大杉さんも樹木希林さんも、脇役に徹して演じていました。主役をどれだけ際立たせるかが脇役の実力。名作の陰に脇役ありです」(宮本エミ)