また、2012年12月1日から臨時特急「スカイツリートレイン4号」が土曜日に限り、大宮~浅草間で運転された。野田線に特急が設定されるのは初めてであった。しかし、乗車率が低いこともあり、2017年4月21日のダイヤ改正を前に不定期運転をいったん終了。2018年5月の再開後は野田線の運用がない。
2015・16年の12月の金曜日には、浅草~運河間に臨時特急「きりふり267号」を運転。春日部で進行方向が変わり、野田線内は各駅に停車した。なお、東武特急が千葉県に足を踏み入れたのはこれが初めてである。
特急料金は浅草~春日部間に適用され、春日部から先は乗車券のみで乗車可能という措置をとった。この列車は好評を博し、2017年4月21日のダイヤ改正で特急「アーバンパークライナー」に発展。浅草~大宮・野田市間、大宮~運河間に運転されている。
■野田線初の新型車両となった60000系
野田線の車両は長らく転属車によって賄われた。初の新製車は1977年の8000系増備車で、野田線初の冷房車となった。1988年には営団地下鉄(現・東京メトロ)日比谷線直通列車の任を解かれた2000系を改造し、2080系として投入されるも、非冷房などがあだとなり、わずか4年で戦力外に。野田線の通勤形電車は20m4ドア車に統一された。
そして、野田線初の新型車両60000系が2013年6月15日にデビュー。18編成が投入され、野田線全体の4割を占める。2019年のゴールデンウイークには柏~佐野間(往路)、佐野~東武動物公園間(復路)に臨時電車「春の花めぐり号」が運転され、初めて佐野線および栃木県に直通した。(文/岸田法眼)
○岸田法眼(きしだ・ほうがん)/フリーのレイルウェイ・ライターとして、『鉄道まるわかり』シリーズ(天夢人刊)『論座』(朝日新聞社刊)『bizSPA! フレッシュ』(扶桑社刊)などに執筆。旅や鉄道などを中心に著作を続ける。著書に『波瀾万丈の車両』(アルファベータブックス刊)。大の好角家。