文部科学省が発表した「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題」(2018年度速報値)によると、不登校の子どもの数が6年連続で過去最多を更新し16万4千人となった。前年度と比べても約2万人増。どうしてここまで増えたのか。自身も不登校経験者で、関係者を多く取材してきた全国不登校新聞の編集長・石井志昂さんが、その背景をリポートする。
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10月17日、文科省が不登校の数などを発表しました。文科省によると、不登校の小中学生は16万4528人。前年度と比べると2万497人増。6年連続で増加し過去最多。しかも本調査の統計開始以来2番目に多い上がり幅となりました。
学年別で見ると、例年と変わらず、小学校1年生が最も少なく、そこから右肩上がりで不登校数は増えて中学校三年生が最も多くなっています。中学生・小学生、ともに約1万人ずつ増加していますが、注目したいのは小学生の不登校。2年前と比べると約1.5倍に増えています。
つまり、もともと多かった中学生の不登校も増えつつ、注目されていなかった「小学生不登校」も急増しているのです
■急増の背景に認知度の広がり
不登校の急増について、現場で子どもたちを見ているフリースクールの関係者は、以下のように捉えていました。
「主な理由は2つ。授業数の増加によって子どもたちが感じるストレスが増えたこと。学校に対する『絶対感』が若い父母を中心に失われ、子どもを追い詰めすぎずに休ませるようになってきた」(フリースクールネモ・前北海/千葉県)
「ここ数年で感じているのは、不登校への認知度が上がったことと、学校が子どもを『型枠にはめる力』が強まってきて、それに苦しさを覚えている子が増えてきていること」(函館圏フリースクールすまいる・庄司証/北海道)
お二人とも、認知度の高まりと学校ストレスの高まりを指摘されていました。
不登校中の女子生徒(15歳)に聞いたところ、「目に見えない学校からの圧力が強まっている気がする」と答えてくれました。