私が取材したなかでは、不登校の子で学校に通う日を楽しみにしていた子はほとんどいません。学校に行くのがつらくて不登校をしているわけですから当然です。しかし、学校以外に選択肢がなく、いやいや通っている子が、不登校のなかでは多いというのが現状なのです。

 こうした状況は、本人の心理的な負担が高く、学力が身につかないこともあるなどデメリットが大きく、改善されるべきです。

■期待と懸念が広がる「出席認定」

 今年、急速に広がり、期待と懸念が広がっているのが「IT教材による出席認定」です。

 学校へ行かずとも、iPadやスマートフォンで勉強することで、進学の際に必要な出席日数として認めるというものです(※出席日数に関係なく進学できる高校も多数あります)。

 家庭教材アプリとしては「すらら」や「スタディサプリ」が有名です。「すらら」では、ログイン履歴などによって本人の学習履歴を把握し、それらを学校が出席認定として認める方法を広めています。2年間、学校へはほぼ通わない不登校だったものの、「すらら」を利用して「欠席ゼロ」だったという生徒がいたようです。

 文科省はIT教材の利用による出席認定を2007年度から本格的に進めており、2018年10月にも通知を出しています。

 しかし、2018年度、IT教材によって出席認定された者は286人。まったくと言っていいほど広がっていません。

 「すらら」の担当者によると「前例がない」という理由などで学校から導入を断られるケースが多いそうです。

 IT教材による出席認定は、教室に入りたくないという子どもから求められており、広がりに対して期待をする声も多くあります。しかし、その一方で、休息が必要なタイミングなのにも関わらず、勉強が求められ追い詰められてしまうケースもあるのです。

 懸念点は、教材アプリを提供する側も、不登校に関わる市民側も感じていることです。今後、どうなっていくのか、その動きに注目をしておきたいところです。

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