※写真はイメージです(写真/Getty Images)
※写真はイメージです(写真/Getty Images)

 ちまたでは肩こりや腰痛など、筋肉や関節に効く・よいとされているさまざまな情報が溢れています。「なぜ?」「本当に効く?」といった疑問も多くあるのではないでしょうか? 直接、診療にかかわることではない素朴な疑問を、病院でわざわざ医師には聞きづらいものです。週刊朝日ムック『首腰ひざのいい病院2020』では、そんな疑問を専門医にぶつけてみました。Q&A形式で紹介します。

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Q:首を動かすと、ポキポキと音がするのはなぜ?
A:理由は明らかになっていません。ストレッチをするのはOKです 

 音がする理由は実証されていません。首(頸椎)の後ろにある関節内の空気がはじける音だという説もありますが、硬くなった肩の筋肉がゆるむときに音がしているのかもしれません。

 実は首のポキポキ音については、科学的に確認できていないのです。なぜなら、ポキポキと音がするという理由で手術をする、つまり関節内を直接確認することはないからです。 久しぶりに首を動かしたときにポキポキと音がすると感じている人は多いかもしれません。本来、筋肉は縮んだときには筋肉組織から静脈へ、ゆるんだときには動脈から筋肉組織へ血液が入ってきます。そうして酸素や栄養分も供給されるのです。

 しかし、同じ姿勢で作業を続けていると、首や腰、肩の筋肉は一定の力で縮んだままで、伸縮していません。よって血流が少なくなり、筋肉が酸素不足の状態となって硬く凝っていきます。その凝りが、ポキポキという音につながっているかは解明されていません。

 ポキポキとよく音がするからと不安になる人がいるかもしれませんが、それによって首が亜脱臼したり骨がずれたりすることはありません。首を回したり、ストレッチをしたりするのもいいでしょう。首の周りや肩の筋肉の血流がよくなります。

 ちなみに、股関節を回す(回旋)ときのガクッとなるようなメカニズムの一部は解明されています。太ももの腱や筋肉が骨の突起(大転子)を乗り越えるときのばね現象として知られています。

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