表を見るとわかる通り、数学は高校によっては3年で学ぶことになる「数学III」からの問題が頻出しています。理科も、教科書の後半部分からの出題が多くなってきています。受験校の傾向を調べ、余裕をもって対策するようにしてください。
■大学入学共通テスト」が20年度入試に与える影響
現在の高2生から「センター試験」に代わり「共通テスト」が導入されます。
「センター試験」は「高等学校段階における基礎的な学習の達成の程度を判定」するものでしたが、「共通テスト」は「大学教育を受けるために必要な能力について把握することを目的」とし、「思考力・判断力・表現力を中心に評価を行う」ものとされます。
注意点として両試験は出題方針の変更であり、出題内容の変更ではないため、「経過措置」はありません。つまり、浪人をすると、次年度は高卒生用の別テストはなく、「共通テスト」を受けなくてはなりません。
現状、「共通テスト」では英語の資格・検定試験導入に注目が集まっていますが、要注意は国語です。記述式問題が出題されることに加え、出題内容もこれまでと異なるため、国語が苦手な医学部受験生は苦戦が予想されます。
また、数学や理科でも、読解力がこれまで以上に必要とされる問題が増える見込みです。
大学独自で行う2次試験については、現状、大きな変更はないと思われますので、「共通テスト」が大きなポイントとなるかもしれません。ただし、すべての医学部で実施される面接試験は、「思考力・判断力・表現力」を問われるようになるでしょう。
■受験生の「安全志向」で医学部入試が難化
これを踏まえて、2020年度の医学部入試は、浪人を避ける傾向が強くなり、難化すると予想されています。
国公立大学を例にとると、これまでは一浪くらいは覚悟して第1志望の大学にチャレンジする現役生はたくさんいました。
しかし、「共通テスト」の導入により浪人を避けるため、例えば旧帝大などを目指していた受験生が、合格の可能性の高い大学に志望校を変更する「安全志向」が高まる可能性があります。これにより難易度が中~下位の医学部の難度が高まります。