第101回全国高校野球選手権は履正社の初優勝で幕を閉じた。昨年の大阪桐蔭に続く大阪代表の連覇であり、同一地区の代表の異なる学校による連覇は千葉代表の銚子商と習志野が56回大会、57回大会で達成して以来4例目である。改めて過去10年間の春、夏の甲子園の優勝、準優勝校を見ると大阪桐蔭、履正社の大阪2強の強さが際立っている。
【“甲子園2019夏”ヒーロー8人のベストショットはこちら】
・選抜優勝
大阪:3回
沖縄、神奈川、埼玉、京都、福井、奈良、愛知:各1回
・選抜準優勝
大阪:2回
東京、福岡、青森、愛媛、北海道、香川、和歌山、千葉:各1回
・選手権優勝
大阪:4回
沖縄、西東京、群馬、神奈川、栃木、埼玉:各1回
・選手権準優勝
青森:2回
神奈川、宮崎、三重、宮城、南北海道、広島、秋田、石川:各1回
これを見ても、大阪が頭一つ、二つ抜け出していることがよく分かるだろう。果たして大阪の圧倒的な強さの裏にあるものは何なのか、探ってみたいと思う。
ちなみに大阪の強さは今に始まったことではない。過去の地域別の優勝回数を見ても大阪は25回(春11回、夏14回)で2位の愛知の19回(春11回、夏8回)を大きく引き離してのトップである。そして特徴的なのが世代によって強いチームが移り変わっているという点だ。
高校野球の黎明期に強さを誇っていたのは浪華商(現大体大浪商)。春2回、夏2回の優勝を誇り、張本勲、尾崎行雄、高田繁などを輩出している。1960年代は明星、興国が優勝を果たし、1970年代には北陽、大鉄(現阪南大高)などが台頭。そして1980年代に黄金期を築いたのがPL学園だ。
春3回、夏4回の優勝を果たし、1987年には春夏連覇を達成。数々の伝説を甲子園に残した。1990年代には近大付、上宮が甲子園でも結果を残し、2000年代後半からは大阪桐蔭が2度の春夏連覇を果たすなど最強の名をほしいままにしている。優勝回数2位の愛知が中京大中京と東邦の2校に偏っていることに比べると、これだけ多くの高校が優勝しているところに底知れない強さを感じる。