吉本興業が反社会的勢力の忘年会などのパーティーに出席していたお笑いコンビ「雨上がり決死隊」の宮迫博之や「ロンドンブーツ1号2号」の田村亮ら所属芸人11人を当面の間活動を停止し、謹慎処分にすると今月24日に発表した。
事の発端は、宮迫らが約5年前に振り込め詐欺グループの忘年会に所属事務所を通さずに参加した“闇営業”の実態を今月発売の写真週刊誌「フライデー」が報じたこと。
当初吉本サイドは、反社会的勢力のパーティーに芸人を仲介したとしてお笑いコンビ「カラテカ」の入江慎也との契約を解除する一方、宮迫らについては厳重注意処分にとどめた。
こうした処分になった背景には、宮迫らがパーティーに参加したことは認めつつも、「金銭の授受はなかった」と主張していた点が大きいだろう。
そもそも“闇営業”と称されている芸能人による「直営業」に関しては、実際のところは吉本芸人に限らず数多くの芸人、もっといえば歌手やアナウンサーなども昔から似たようなことはやっており、業界内でとくに大きな問題とはみなされていないというのが実情だ。
もちろん、タレントを商品として扱う芸能事務所サイドからすれば勝手に商売をされるのは歓迎すべきことではないし、会社を通さずに仕事を請け負うことで芸能人サイドも主催者側とギャラや条件を巡るトラブルが発生したり、今回のような反社会的勢力との交際につながりかねないといったリスクは当然秘めているわけだ。
また、コンプライアンスに厳しい昨今のご時世、ギャラうんぬん以前に反社会的勢力との交際自体、当然避けるべきことではあるが、接触を100%完全に回避するというのは難しい側面もある。
以前にお笑い芸人と酒席をともにし、この種の話題になったことがあるが、「ファンを装って近づいてきた人物から写真撮影を頼まれて応じたら、じつはその人が反社の人間だった」といったケースから「知人に誘われて飲み会に行ったらその中にたまたま反社の人間がいた」というケース、「合コンで女性と仲良くなったらじつはその女性の彼氏や友達が反社の人間だった」といったパターンもあるという。