芸能人、とくに売れっ子タレントは日常生活の中でこうしたリスクと常に向き合わざるを得ない存在ともいえ、接触自体を完全に回避するのは至難の業ともいえる。
とはいえ、そこに「金銭の授受」という要素が絡んでくると、もはや同情の余地はない。
今回の騒動でいえば、「FLASH」が掲載した、宮迫らが出席した忘年会を開催した詐欺グループで当時金庫番を務め、仲介役の入江とギャラなど金銭面の交渉をしたという男性による“入江を通じて宮迫らに計300万円のギャラを支払った”とする証言は大きな波紋を広げることとなった。
こうした報道が出たことで、宮迫らの「ノーギャラ」主張は覆され、彼らに対する業界内の見方も一気に厳しいものとなった。
実際、この報道からしばらくして吉本サイドは態度を変えて、「複数回にわたり、該当タレントへのヒアリングや各自の記憶の整理、確認を丁寧に行った結果、該当する芸人において、反社会的勢力主催の会合であるとの認識はなく、また、報じられていたような金額ではありませんでしたが、会合への参加により一定の金銭を受領していたことが認められました」とし、厳重注意処分にとどめていた所属芸人11人に対し、当面の間の芸能活動の停止と謹慎処分を発表。
芸人仲間からも当該の11人の芸人たちに対して厳しい批判の声が相次いだ。
今回の騒動で宮迫らが反社会的勢力との交際に加えて金銭の授受、さらにウソをついて世間を欺こうとしたという悪印象まで多くの人に与えてしまったことは、イメージ商売である芸能人という立場上、かなり大きなダメージだ。
こうしたイメージダウンは当該芸人たちによる身から出た錆ではあるが、当初、同業者からも疑問の声が上がる中、芸人たちの「ノーギャラ」主張を受け入れて厳重注意処分にとどめていた吉本に対する世間の風当たりもますます強くなっていくだろう。
また、今回の騒動が世間の大きな注目を集めたことで、芸能界全体への余波も気になるところだ。
芸人に限らず、過去に何らかの形で芸能人と関わったことのある反社会的勢力、あるいは元反社、あるいはその周辺者によるマスコミへのリークや情報提供が増え、浮き彫りとなることが予想される。
芸能人と反社との接点が今後も波紋を広げそうだ。