それでも、息子が「ここはみんなで遊んでいい場所だよ」と言って中に入ろうとすると、息子が持ったオモチャを取ろうとし、揚げ句には蹴って乱暴をしてきました。子どものけんかに親が介入すると、確実に親が味方した側が勝ってしまうため、私は基本的に「子どものいざこざは子どもで解決させる」というスタンスをとっています。

 しかし、さすがに親が目の前にいるのに、ほかの子の嫌がらせや暴力をふるうという行為をスルーするのは、息子にも「そういうことをしていい」と許可しているのと同じことになってしまいます。

「大人の立場」で圧力をかけるのもよくないし、かといって放置するわけにもいかないので、とりあえず「ここにお父さんかお母さんきているよね? ちょっと呼んできてもらえる?」と尋ねました。すると、そのリーダー格の子は突然、私に対して「ごめんなさい」と謝ってきたのです。

■店員からも「目を離さないでみてください」との注意

 謝るならば私ではなく息子に謝るべきだし、男の子にしても「怒られたくないので一時的に難を逃れた」という「うわべだけ」のもので、結局、何の意味ももたず問題解決にもなっていない謝罪になるわけなので、どうしたものかと思いました。するとそのとき、店員さんがきて、私がそのグループの子どもたちの親だと勘違いしたらしく(最近はほかの子を注意する親が減ってきているためでしょう)、「さっきからその子たちが危ないことばかりするから、親はちゃんと目を離さないでみてください」と注意されたのです。

 ここでもめて大ごとにもしたくなかったので、店員には誤解を解き(不本意なことにかなり疑われましたが)、息子にも「意地悪な子と遊んでも何も楽しくないでしょ?」と言って、その場を離れてしまいました。

 その後、店員さんから、その子たちの親は、食事をする休憩スペースで、おしゃべりしたり、スマホをいじったり雑誌を読んでいたりしていた人たちだった、と謝られました。彼女たちも、やはりグループできていたそうです。私も休憩スペースにいったときその母親たちを見かけましたが、その中の誰か1人も子どもをみることをせず、完全に放置していたということでしょう。

次のページ
いじめに関して解決策はなにもない