学校でハブられた経験は僕自身ももちろんあるし、そうなったときに誰かしゃべれる人とか仲間が1人でもいると、新たに別の友達ができたりもしていたと思うんです。相手は同級生じゃなくても、先生とか近所の兄ちゃんなのかわからないけど、「実は……」って話すだけでもスッキリするし。
だから、大人という立場になったら、周りの人を少し気にかけたほうがいいと思うんです。そうい社会がわずらわしいから「人は人、自分は自分」って個人主義でやってきて、それが自由の証でもあったんだけど、いまこうして完全に遮断された人がこれだけ増えているという現実がありますよね。その人たちの中には、好きでひきこもっている人もいれば、嫌だけど仕方なくって人もいると思うんですよ。本当はデートしたり、結婚して子どもを持ったり、って将来を描いている人には、それは全然できるよっていう気づきみたいなものを与えるチャンスが必要なのかなと思うんですよね。
NHKの「バリバラ」という番組で司会をやっている山本シュウさんはいつも「We are シンセキ!」って言うんですよね。人類はみんな親戚だから「おせっかいを焼かなあかん」って。それによっていろんなことが解決していくと。まさにそれが大事だと思う。
近所の1人暮らしのじいさんばあさんを気にかけたり、公園でずっと1人で遊んでいる子に「お前、どうした?」って声かけたり、近所の人、友達、知り合いと交わっておせっかいを焼くことが今こそ必要だと思うんです。
地域による違いもあると思うけど、特に都市部に住んでいる人は、そういうことを心がけてやりませんか? 個人主義が進んだアメリカを見てください。銃乱射事件がどれだけ起きてます?
アメリカが銃社会だからという理由もあるけど、登戸の事件でも銃があれば銃乱射だったわけです。それはアメリカの悪いところでもあるから、ああならないためにも特に都市部に住む人は、コミュニティーを持つ、話しかける、挨拶するからスタートする、それがひいては防犯になるんだって考えた方が良いと思うんです。
もちろん、どんな人かわからないと怖いし、難しい面もあるんだけど。それしかないのかなと思うんですよね。警察の監視とかパトロールを強化するだけでは、こういう事件は無くならないんだと思います。