ソフトバンク入りが決まったカーター・スチュワート(写真:getty Images)
ソフトバンク入りが決まったカーター・スチュワート(写真:getty Images)

 ソフトバンク入りが決まったカーター・スチュワートは、昨年6月のドラフトでブレーブスから1巡目指名(全体8位)を受けたが、契約には至らず、高校から大学へ進んだ。ブレーブスが右手首の状態を懸念し、契約金を抑えようとしたのが理由だ。提示額の200万ドル(約2億2000万円)は、この順位における相場の半分にも届かなかった。

 ここまでの動きは、そう目新しいものではない。5年前にアストロズから全体1位で指名されたブレイディ・エイケンは、高校からIMGアカデミーへ行き、翌年に全体17位でインディアンスに入団した。スチュワートの大学は4年制ではなく2年制なので、エイケンと同じように、翌年もドラフトの対象となる。

 けれども、今年のドラフトを迎える前に、スチュワートはソフトバンクに入団した。その契約内容は、『ESPN』のジェフ・パッサンが「6年700万ドル(約7億7000万円)以上」と報じたのに続き、『MLBネットワーク』のジョン・ヘイマンは「620万ドル(約6億8200万円)に出来高がついて最高1100~1200万ドル(約12億1000万~13億2000万円)」と伝えている。いずれにせよ、メジャーリーグの球団に入ってから6年間に得る総額より多いことは間違いない。『ベースボール・アメリカ』のJ.J.クーパーは「日本で6年間に700万ドル、アメリカなら6年間に320~350万ドル(約3億5200万~3億8500万円)」と試算している。

 また、契約が終わる2024年のオフに、スチュワートはFAとなる。日本で成功を収めた25歳の投手となれば、メジャーリーグの各球団から熱い視線を浴び、かなりの大型契約を手にするはずだ。

 スチュワートに続く選手が次々と現れるようなら、ドラフトは形骸化する。そうならないようにするため、メジャーリーグがルールを変更する可能性はある。ただ、今のところ、緊急性はそれほど高くない。

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「通常のルート」はすぐには廃れない?