「“歌い手”というよりも“伝い手”というような気持ちで、自分が主人公にならないようにというのは心掛けています。歌の世界の女性がこういう景色のところをこういう思いで歩いている…だったりとか、曲で描かれている世界観を聴いてくださる方々に伝えられたらなという気持ちでは歌わせて頂いています」

 その言葉の中には、一人の歌手として殊更に自己主張を際立たせるのではなく、あくまで曲の舞台となっている土地の素晴らしさや歌詞に描かれている人物の心情を楽曲を通じて表現することに心血を注ぐ、ご当地ソングの“伝い手”としての高いプロ意識、矜持がにじまれる。

 そして、一過性のブームではなく、長年にわたって日本全国のご当地から受け入れられ、愛され続ける“ご当地ソングの女王”の女王たる所以、その一端を垣間見た気がする。(芸能評論家・三杉武)

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