そして、次は中国が出てくるわけです。独自の宇宙ステーションの建設や、有人の月面探査をやろうとしているんですよね。それに対抗してトランプが「もう1回送る」と計画したわけです。相手がソ連から中国に変わっただけで、時代が逆戻りしているようにも思えるけど、国と国の技術競争が進歩を促しているとすると、時代は進歩しているんだろうか。
僕や、同じようにスペースシャトルに夢中になった世代が宇宙にはせる夢があるように、アメリカでも日本でも民間の開発も進んでいます。日本では堀江貴文さんもやっているけど、アメリカでも民間の組織がもうすぐ有人飛行と宇宙旅行を実現させようとしている。バーンとロケットを飛ばして、カプセルを出さずに、ペンシル形のまま縦に着陸させることに成功していますから。
宇宙旅行だって、ちょっと前までは地球の上まで出て地球を見て帰ってくるものだったけど、「ZOZOTOWN」の前澤友作さんがやろうとしているのは月を一周して帰ってくるっていうもので、だんだん距離も延びているわけです。そのほかにも、一度大気圏を出て、東京-NYを1時間ちょっとでつなぐという技術も進んでいて、人類にとってはそっちを早くつくったほうがいい気がしますよね。
2年ぐらい前にNHKの「クローズアップ現代」で宇宙とか宇宙人の特集をしたときに、出演させてもらったんですが、そのときは「いよいよ、何か情報をつかんだな」と思ったんですよ。NHKが報じるということは、もう宇宙人が地球に来るんだ、アメリカ政府はもう知っているんだ、と。結果、全然違いましたが(笑)。
でも、それぐらいの脅威とか問題がないと、全世界で平和目的のために宇宙開発するというのは実現しないかもしれないなとも思います。技術は軍事と一緒になっているわけだから、そこには秘密もいっぱいなわけです。米の旅客機を日本でつくれないのと同じ。そして純国産の旅客機の開発はえらい遅れているわけです。