川栄李奈 (c)朝日新聞社
川栄李奈 (c)朝日新聞社

 アイドルを卒業後、セカンドキャリアとして女優業を選ぶ者が多いが、いま、その中でダントツの仕事量をこなしているのが川栄李奈(24)だ。

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 2010年にAKB48のオーディションに合格すると瞬く間に頭角を現し、バラエティ番組で「おバカタレント」として開眼。しかし、順風満帆だったアイドル生活をたった5年で自ら閉じ、女優に転身することを宣言。当時はまだ「おバカタレント」のイメージが根強く、彼女の女優転身にはそれほど注目が集まってなかった印象だが、気が付けば連ドラに出ずっぱりの人気女優に。1月期は3本の連続ドラマに出演、4月からは「いだてん~東京オリムピック噺~」と「家政夫のミタゾノ」の2本を掛け持つことになっている。

 いま、女優・川栄李奈になぜ出演オファーが殺到するのか? ある民放ドラマプロデューサーは次のように語る。

「当初は誰もそこまで期待してなかったと思うんですが、実際に芝居を観るとむちゃくちゃうまい。予想を遥かに上回るその演技力が、女優として引っ張りだこになった理由のひとつだと思います。あと、何かのインタビューで『仕事はすべてマネージャーにまかせていて、絶対に断らない。やれといわれたものをやるのみ』と語っていて、その思い切りのよさが芝居にもちゃんと出ている。迷いがないから役にしっかり憑依して、なりきることができるんだと思います。役の大小にもこだわらず、脇役もヒロイン役もなんでもできる。今後はもっと大きい役がメインとなっていくでしょうね」

 2018年のCM出演本数は11社と飛躍的に増え、「2018年CM起用社数ランキング」では綾瀬はるか(34)と同率の4位。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いである。スポーツ紙の芸能担当記者は彼女のブレイクの秘訣を次のように分析する。

「川栄さんのCMといえば2017年から出演している『au』三太郎シリーズの織姫役。たった15秒の尺なのに、抜群の存在感を出していました。独特の世界観をちゃんと理解して、織姫を瞬時に自分のものにしていたのはさすがの一言。以前、『櫻井・有吉THE夜会』で川栄さんを特集したとき、MCの有吉弘行(44)さんが『あのauのCMを見て、この子は売れるなって思った』と語っていましたが、それぐらいインパクトがありました。有吉さんも毒舌キャラに憑依して再ブレイクした人。川栄さんとなにか通じるものがあったんでしょうね。これ以降、CMやドラマのオファーが殺到して、今の彼女のブレイクにつながったんだのは間違いないです」

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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