巨人の開幕戦スタメンで最も注目されるのが捕手だ。6年目の小林誠司、西武からFA移籍で加入した炭谷銀仁朗のどちらかが選ばれる可能性が高い。開幕投手は原辰徳監督が2年連続沢村賞右腕・菅野智之で明言している。5度目の大役を務めるエースが絶対の信頼を置くのが同学年の小林だ。菅野は昨季リーグトップの8度の完封勝利を挙げたが、女房役の小林の陰のアシストも光っている。昨季は塁阻止率・341。3年連続リーグトップはセ・リーグ史上2位タイの快挙だった。他球団は菅野から集中打が望めないため、機動力を使って得点圏に走者を進めたいが、小林が球界屈指の強肩を誇るためになかなか盗塁を仕掛けられない。一塁に相手走者を釘付けにする鉄砲肩は大きな武器になっている。だが、開幕スタメンで当確かと言うと話が変わってくる。

 小林の課題は打撃面。昨季も打率・219と確実性を欠いた。また、リード面においても批判を浴びることが多い。4年連続V逸という状況で「チームの頭脳」となる捕手は風当たりが強くなる。原監督の信頼もまだ勝ち取っている水準まで達していないのが現状だろう。指揮官は「自分の打撃が良くなるとリード面でも強い捕手になれる。1割台くらいじゃ駄目だよね」と小林にハッパをかけている。実際に炭谷獲得を熱望したのも原監督だ。炭谷の会見に同席した際、「若い小林、大城、宇佐見、いいキャッチャーはいますが、日本一を狙うには時期尚早。そういうなか、FAで炭谷選手の名前があった。真っ先に球団のほうに炭谷君をキャッチャーの一員にいれてくださいと、最初の願いを伝えました」と明かしている。

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