タレントの羽賀研二被告 (c)朝日新聞社
タレントの羽賀研二被告 (c)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る
羽賀研二が被害者Aさんに3億9千万円の借金を1000万円にしろと迫った確認書
羽賀研二が被害者Aさんに3億9千万円の借金を1000万円にしろと迫った確認書

羽賀研二が被害者Aさんに3億9千万円の借金を1000万円にしろと迫った確認書
羽賀研二が被害者Aさんに3億9千万円の借金を1000万円にしろと迫った確認書

 沖縄刑務所で服役中、強制執行妨害で逮捕された、タレントの羽賀研二被告(本名・冨真美喜男・57)と元妻の麻由被告を那覇地検は8日、起訴した。2人は06年12月に結婚。07年に公開株の売買を巡り、羽賀容疑者が恐喝と詐欺容疑で逮捕された。

【独占入手】羽賀研二が被害者Aさんに3億9千万円の借金を1000万円にしろと迫った確認書はこちら

 容疑は2017年1月、羽賀被告は麻由被告と「偽装離婚」し、沖縄県で所有する16物件の不動産の名義を財産分与という形で麻由被告に移転し、差押を免れようとした疑い。羽賀被告は13年から沖縄刑務所に服役しているが、大阪地裁が16年10月、大阪の会社経営者Aさんに借りた3億9千万円の借金を返還するよう命じていた。

 今回、那覇地検に起訴されたことで、さらに長く収監される見込みだ。

 被害者のAさんはこう語る。

「羽賀のワルさは天下一品。刑事事件で実刑になる前は約4億円の借金を1000万円で片づけようと、泣きつく。刑務所に入ってからは、200万円で和解してくれ、と。その一方で、刑事事件は冤罪だから戦うとケンカを売るような発言を続けて、今回は偽装離婚に資産隠し。許せませんわ」

 長く、羽賀被告のタニマチとして、公私ともに面倒を見てきたという。問題の3億9千万円をめぐって死の恐怖を感じたことがあった。

 2006年6月7日、大阪市内のホテルのラウンジに呼び出され、3億9千万円の借金を1000万円で和解するという内容の「確認書」にサインを求められた時だ。

 取材班は焼け焦げた2つの書類を入手した。

 未公開株については<株式取得問題については、本書にて全部円満解決したものである>

<株式取得により被った被害は、損害賠償請求権のないことを確認する>

 と羽賀被告に都合のいい内容が記されていた。

 羽賀被告から呼び出されたAさんが指定されたホテルに行くと、元ボクシング世界チャンピオンで、六代目山口組最高幹部の渡辺二郎氏(実刑判決確定)と同じく、最高幹部の川喜田敏和氏(実刑判決確定)が待ち構えていた。

「4億円が1000万円という金額で、おまけに羽賀も被害者といわんばかりの文言があった。

 とてもそんな書類にはサインできないと断り、ラウンジのテーブルに置かれていたローソクの火で燃やそうとした。だが、向こうがあわてて火を消し、『サインしなかったら、山に連れて行かれるぞ』『おい、どうするんじゃ』と渡辺、川喜田両氏から睨みつけられました。このままなら殺されると、サインするしかなかった」(Aさん)

 取材班が入手した、2つの書類の左上が、黒く書けているのは、ローソクの火で、燃やそうとされた跡である。Aさんはこう訴える。

「羽賀は私と出会った時、山口組の関係者からきつい取立にあっていた。それを私が肩代わりして、助けてやった。それ以降もずっと、面倒を見てきたのに、都合が悪くなると山口組を使って、私を死の恐怖にまで陥れた。本当に殺されるかと思いました。普通、恩ある人にそこまでしますか? どうしても許せないと今日まで戦ってきた。反省、謝罪するチャンスは今回の事件が最後です」

 羽賀被告が法廷で何を語るのか。注目したい。(取材班)