森保一監督が率いる日本代表はトルクメニスタン、オマーンに苦しみながらも勝利し、グループリーグ最大のライバルであるウズベキスタンとの3戦目でオマーン戦から10人のスタメンを入れ替えて臨んだ。
お互いがチャンスを作った前半の40分に、素早いスローインから左サイドを崩されて先制点を奪われてしまった日本代表。しかし、その状況からチームを救ったのが右サイドバックの室屋成とFWの武藤嘉紀だった。
失点から3分後の43分に右サイドでボールを受けた室屋は相手サイドハーフのアリバエフとマッチアップになるが、そこでボールを手前に晒しながらアリバエフがタックルに来たところを反時計回りにターンして縦に抜け出し、深いところからゴール前にクロスをあげた。
「サイドで孤立してたので、仕掛けるしかないなと思っていたんですけど、1回ボールを戻したときにサイドハーフの選手が食いついてきたので、食いついてるなと思って。このタイミングだったら前にくって出したらうまく引っかかってくれた」
そう振り返る室屋はゴール前に味方の選手たちが構えていることを察知していたが「クロスはよっち君(武藤)とか中に強い選手がいたので、キーパーにキャッチされないぐらいでちょっとふんわりしたボールをあげたら上手くいくなと思った。特別だれかに合わせたというよりはスペースにあげるイメージで出しました」と語る。
その室屋から上げられた絶好のクロスをヘッドでゴールに叩き込んだ武藤。伊東純也がニア、北川航也が中央を走って相手のディフェンスが引きつけれたスペースにタイミングよく入り込み、武藤についてきたマーカーが被った裏で完璧に合わせた。
「スカウティングでもクロスのときに相手がかなり(ゴール方向に)下がる傾向があるというのを監督がおっしゃっていましたし、そういった面で北川(航也)選手がニアで潰れて、自分はあそこで生きるボールを待っていた。そこにドンピシャで素晴らしいボールが来たので、決めるだけでした」
そう語る武藤は室屋がアリバエフと右サイドでマッチアップした時にゴールのイメージができていたようだ。
「やっぱり室屋選手の良さはあそこで縦に仕掛けられるところ。1対1が非常に強いですし、クロスも素晴らしい質を蹴れる。信じて走ったら、素晴らしいボールが来たという感じですね」