平成もついに最後の年となった。バブル崩壊後、日本経済は深刻な長期不況に陥ったが、発展著しい業界もある。その代表的なものがゲーム業界だ。ゲーム総合情報メディア「ファミ通」が発刊する「ファミ通ゲーム白書」によると、昭和から平成へと改元した1989年に約3500億円だったゲーム市場規模が、2017年には1兆5686億円。この30年の間に、実に約4.5倍に成長している。まさに平成は“ゲームの時代”と言えそうだ。AERAdot.では、その平成のゲーム30年史を、ハードを中心に3回に渡って特集。最終回となる第3回はゼロ年代半ばから振り返る。
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2004年12月、ほぼ同時期に発売した「ニンテンドーDS」(以下、DS)と「PlayStation Portable」(以下、PSP)だが、最終的にはどちらも国内の販売台数が約2000万台を越える大ヒット商品となった。
まず、PSPから見ていこう。PSPの最終販売台数は1926万台とされ、プレステの1900万台よりも売り上げたハードとなった。だが、売り上げの多かったソフトを見ると、カプコンが発売する狩猟アクションゲーム「モンスターハンター」(以下、モンハン)シリーズによるところが多い。08年発売の「モンスターハンター ポータブル 2nd G」は418万本を売り上げ、10年の「モンスターハンター ポータブル 3rd」の販売本数は480万本にのぼった。これ以外の100万本以上を売り上げたソフトの軒並みがモンハンシリーズの作品となっている。
一方のDSはどうか。DSの国内累計売り上げは3299万台で、実にPSPの1.7倍にものぼる。この数字はゲームボーイ・ゲームボーイカラーを越え、国内で最も売り上げたハードとなっている(18年現在)。
なぜ、ここまでのヒットとなったのか。
ヒットしたソフトの種類を見ると理由が垣間見えるかもしれない。販売本数642万本の「New スーパーマリオブラザーズ」や、582万本の「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」などの定番タイトルに混じって上位にあるのが、「もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」(508万本)や「脳を鍛える大人のDSトレーニング」(384万本)、「英語が苦手な大人のDSトレーニング えいご漬け」(222万本)などといった自己啓発系のゲームだ。