本格的な次世代の争いは、360発売の1年後に幕を開ける。2006年11月にSCEから「PlayStation 3」(以下、PS3)が4万9800円で登場すると、翌12月には任天堂から「Wii」が2万5000円で発売された。

 PS3はいち早くブルーレイ・ディスク規格を搭載し、高精細なフル・ハイビジョンに対応した。テレビとの接続方式も、現在では主流となっているHDMI端子を採用した。まさにPS2の“正統進化”という位置付けであったが、いかんせんそのWiiの倍はする価格の高さと、PSP同様初回の生産台数を確保できなかった。

 そのため、初動としては3日間で98万台を売り上げたPS2に対し、PS3の初回出荷台数は8万台と言われ、10分の1にも満たなかった。翌月に発売したWiiは1カ月で100万台を売り上げ、出だしとしてはPS3に水をあける結果となった。

 Wiiはこれまでのゲーム機とは一線を画すコントローラーが特徴で、コントローラーを直接動かして遊べる点で特徴だった。そのため、Wiiのヒット作品を見ると、372万本の「Wii Sports」や、356万本の「Wii Fit」、314万本「Wii Sports Resort」など、マリオでもポケモンでもないタイトルが上位に入ってきている。DSで培った、老若男女誰でも遊べるゲーム機と市場拡大を目指した格好だ。

 対するPS3の人気作品はスクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXIII」(200万本)やカプコンの「バイオハザード5」(52万本)など、人気シリーズで古くからのゲーマー向けの作品が多く、ターゲットが分かれていたのも特徴だった。

 こうした事情から、国内での販売台数を比較してみると、Wiiが1274万台、PS3が1021万台となり、蓋を開けてみれば互角の争いを繰り広げる。だが、その売れ行きを見ると、発売した06年から10年まではWiiが勝利しているが、11年から15年にかけてはPS3のほうが勝るという逆転現象が起こっている。この要因には、最初は高かったPS3本体の価格が最終的に2万4980円にまで下がったことも考えられている。一方、ソフトのタイトル数ではWiiの461作品に対しPS3が976作品と、PS3が倍以上の差を付けている。

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