ビジネスシーンでは、じつはこうした言葉の確認作業というのはけっこう大事だと思います。
たとえば、何か売り込みにきた営業マンが自社について説明しているときに、「われわれはこういうことをやっていて……」と言っていたのが、突然、「私はこういうことをやろうとしていて……」とか、ふわっと主語を変える人がいます。
たまたま言い間違えただけというのもあるのですが、そういう場合、会社の方針に反するような自分の思惑を話していることもあるわけです。
じつは人間の言い間違いは、無意識が言葉に出ている場合があるのですよ。なので、おいらは「あれ? なんでいま、主語をわれわれから私に変えたんですか?」と突っ込みます。すると、「いま言ったことは、会社は認めていないのですが……」といったことがわかったりするわけです。
こちらは「どういう会社か知りたい」と思って説明を聞いているのに、単なる個人の思惑をその会社の方針と誤解してしまったら、その会社と取引するかしないかの判断も間違えてしまう……といったことがあるので、ビジネスシーンでは、案外「揚げ足取り」も重要なわけです。