11日以降も築地市場で営業を継続するのも、豊洲市場の先行きに不安があるからだという。仮に豊洲市場で天災や重大事故が発生し、市場が機能しなくなった場合、仲卸業者だけではなく、消費者にも深刻な影響を与える。そこで、築地市場での営業を継続することで「解体工事を阻止し、いざという時に仲間が戻ってこれる場所を残しておく」(同組合関係者)。

 都は11日から築地市場の解体工事を始める予定だが、先行きは早くも不透明だ。

 AERA dot.編集部では、同組合が主張する「営業権」や「築地市場は廃止できない」との主張について都の見解を求めたところ、「開場前で忙しく、担当者が不在で、対応できません」とのことだった。

 都民だけではなく、日本の食文化を支えてきた築地市場。そこで83年の歴史を積み重ねてきた江戸っ子たちが、新たな闘いに挑もうとしている。

(AERA dot.編集部/西岡千史)