女優・樹木希林さんが亡くなった。まさにオンリーワンという言葉がしっくりくる存在でもあったが、とりわけ強くそれを印象付けたのが内田裕也氏との夫婦生活だ。
【写真】内田夫妻だけじゃない!特別な結びつきをもった夫婦といえば…
1973年に結婚するも1年半で別居生活に入り、最後まで“つかず離れず”の状態が続いた。2人の関係性については多くのエピソードが語られてもいるが、個人的には3年前に内田氏にロングインタビューをした時の話が思い出される。
66年に「ビートルズ」が来日した際、コンサートのオープニングアクトを担当したのが内田、尾藤イサオ両氏だった。73年に米ニューヨークのダコタ・アパートに雑誌のインタビューでオノ・ヨーコさんに会いに行った内田氏は、そこでジョン・レノン氏に会う。自分がオープニングアクトをしていたことを明かすと、すぐに意気投合した。それ以来、内田氏、ジョン、ヨーコ両氏の3人でよく飲みに行くようになったという。
「ジョンはオレにいろいろなものをくれた。シャツとか絵とか。もちろん、粗末にしてたわけじゃないんだけど、いきなりあんな最期が来るなんて思ってもないからさ、オレも酔っぱらっちゃうと人にプレゼントしてたわけよ。残念なことに手元には一つも残ってないと思っていたら、少し前に娘の也哉子から電話があって『一つ隠しておいたのがある』って。いや、よく隠してくれてたもんだよ。今となっちゃ、オレの超お宝だよ。ま『なんでも鑑定団』には出さねぇけどさ(笑)」
上記の話を内田氏から聞いて原稿にまとめたのだが、後日、関係者がこっそりと耳打ちしてきた。
「アレを隠しておいたの、本当は希林さんなんですよ。裕也さんだったら、気前よく全部人にあげちゃって、後から後悔するというのが分かっていたんでしょう。どこまでも、うわてを行く人だと思います」
20日、内田氏が書面でコメントを出した。希林さんの逝去から5日経ってのことだった。内田氏のマスコミ対応をしている担当者と話をした。