――今は一緒に仕事をしているの?

 今では友達のようにお互いの家に泊まったり、僕が監修をする恐竜展に協力してもらったり。だから、多くの子どもたちに、「子どものころに憧れていた人と一緒に仕事をするのは、決して夢じゃないんだよ」っていうことを、僕自身の経験から伝えているよ。

――この夏、恐竜くんが手がける恐竜科学博が開催されているね。どんな内容なの?

 ブラックヒルズ地質学研究所の協力で実現した展示の目玉は、何といってもトリケラトプス「レイン」の実物化石。ここまで完全な骨格はめったになく、顔の形も本当に美しいんだ。さらに骨だけじゃなく、うろこ状の皮膚の化石もある。実物を見ると、「この皮膚をまとって生きていたのか!」っていう驚きを感じられると思うよ。

――うわぁ、生で見てみたい!

 展示の方法にもいろんな工夫をしているよ。多くの恐竜展は、図鑑のように、種類ごとにグループ分けした展示が一般的なんだ。その場合、恐竜の全体像は理解しやすいかもしれないけど、同じ時代や同じ場所にいた恐竜じゃないものが並んでいることも多くなってしまう。

――うーん、確かに。

 今回の恐竜科学博は、レインが生きた時代と場所を限定して掘り下げるという、今までにない視点でつくったんだ。そうすることによって、よりリアルな恐竜の生きた時代が見えてくると思うよ。

 時代はレインが生きた白亜紀後期、場所は幻のララミディア大陸。そこで群れから離れた子どものレインが、冒険しながら成長していくというストーリー仕立てになっているんだ。周辺にはどんな恐竜がいて、どんな環境や生態系が育まれていたのか、レインにはどんな脅威があったのか。その暮らしが生きいきと伝わる内容になっているよ。

――絵本みたいで、おもしろそうだね!

「生きた恐竜研究」を生で体験してもらうのにぴったりの企画だから、ぜひ見にきてね。

※月刊ジュニアエラ2021年8月号より

ジュニアエラ 2021年 08 月号 [雑誌]

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AERA編集部
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