YouTubeやオンラインゲームを楽しむ子どもの低年齢化が進んでいます。そこで使われる過激な表現の影響を受けて、小学校でも「うざい」「きもい」などの暴言を使う子どもが増えていると、大阪の公立小学校の現役教師・松下隼司先生は言います。「うざい」「きもい」などの子どもの暴言、どう対応していますか? “暴言が減った”という対応方法とは。
【図版】子どもの暴言が減った対応とは? ポイントはこちら(全2枚)SNSやオンラインゲームの過激な表現に影響を受ける子どもたち
大阪の公立小学校教師(教員22年目)の松下隼司と申します。
スマホやオンラインゲーム機を持つ子どもの割合が増えています。また、親御さんのスマホや家のテレビでYouTubeを見る子ども、YouTubeでもショート動画やTikTokやInstagramを見たりする子どもも増えています。
小学生に大人気のオンラインゲーム「フォートナイト」の使用は、2021年から対象年齢が15歳以上になっています。LINEの使用推奨年齢は、2019年から12歳以上になっています。TikTokやInstagramの使用推奨年齢は13歳以上になっています。
それでも、SNSやオンラインゲームで過激な表現の影響を受け、乱暴な言葉遣いや卑猥な言葉を使う子どもが増えているように日々、学校現場で感じます。
「うざい」「きもい」「きしょい」が口癖
子どもたちが使う暴言に「うざい」「きもい」「きしょい」があります。子ども同士の喧嘩や、親御さんや教師への反抗・反発のときに使われます。
喧嘩や反抗・反発のときに感情的になって言ってしまうのでなく、口癖のようになってしまっている子どももいます。例えば、テストの点数が友だちより低かったとき、ジャンケンで負けたときなどに、「うざ」「きも」と言うのです。ちなみに、「うざ」は「うざい」、「きも」は「きもい」を省略した言葉です。「きしょい」を省略した「きしょ」という表現もあります。
これらの暴言は、「死ね」「消えろ」ほど強烈ではありませんが、言う子ども・言われる子どもだけでなく、まわりにいる子どもたちを嫌な気持ちにします。悲しい気持ちにします。気持ちがしんどくなります。うれしい気持ち、楽しい気持ちになる子どもはいません。
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