テーマに沿って土地をめぐり、楽しみながら親子で学ぶAERA with Kidsの旅企画「まな・たび」。今回の舞台は韓国・ソウル!
フィールドワークに詳しい識者に着目ポイントを聞き、テーマに沿っておすすめスポットを巡りました。

●旅をした親子
えありさん、りおさん(12歳)
えありさんは、元国際線CAで旅好き。AERA with Kidsアンバサダー。りおさんは、歴史と英語が好き。

●着目ポイントを教えてくれた人
狩野崇先生/花まるグループの進学塾部門「スクールFC」で社会科を担当する。座学とフィールドワークを融合した講座が人気。

 テーマ1/昔ながらの街並みを探検し、伝統家屋の暮らしを想像してみる

韓国の伝統的な家屋、韓屋(ハノク)が残る「北村韓屋村」。遠くには「Nソウルタワー」や高層ビル群も見られ、現代と融合した景色を望めます

 フィールドワークを得意とする狩野崇先生から「日本と韓国の共通点と違いを探してみることが異文化理解の鍵になる」と教えてもらった、えありさん・りおさん親子。

 伝統家屋「韓屋」が並ぶ北村韓屋村では、瓦屋根やデザインされた塀に注目しながら、街歩きを楽しみました。

朝鮮時代の上流階級が多く住んでいた地域で、今でも居住地の「北村韓屋村」。入り組んだ路地が残り、カフェやレストランに改装された建物も多い

 ▶着目ポイント 日本の家とどう違う?

韓屋は瓦屋根で中庭があることが特徴です。高温多湿の夏を快適に過ごすために、縁側のような高床の板の間があることは日本と似ていますが、違いは古くからオンドル(床暖房)があること。冬は-10℃以下にもなる韓国独自の工夫です

 韓屋の内部を見学すると、りおさんは床暖房「オンドル」に興味津々。ソウルは新潟県とほぼ同じ緯度。防寒策として、台所のかまどから出た空気を活用して床下を温めると知り、「自然環境にやさしい」と感心した様子です。

近代韓屋の様式で建てられた「白麟済(ペク・インジェ)」家屋」では、敷地に入って無料見学が可能。台所や家具、庭にあるキムチの壺などから、当時の生活がうかがえます

★おすすめスポット1
北村韓屋村
북촌한옥마을/プクチョンハノクマウル
ソウル特別市鐘路区ケドンギル37/午後5時~翌日午前10時は観光客の訪問禁止https://japanese.visitkorea.or.kr/svc/contents/contentsView.do?vcontsId=97511

 テーマ2/市場で韓国グルメを味わい、食の異文化を体験する

市場は庶民の台所。広蔵市場には、韓国のまさに“ソウルフード”が並びます。食べたことがない料理に、挑戦してみて!

 ソウル市内の中心部にあって、100年以上の歴史がある広蔵市場では、所せましと並ぶ屋台グルメを堪能しました。なかでも、りおさんのお気に入りは、タコの踊り食い。「舌にタコの吸盤がくっついてくるのが新食感!」と大興奮。いつもとは違う食に触れ、世界が少し広がった瞬間でした。

韓国では、雨の日はチヂミが定番。焼く音が雨音に似ているからだそう。りおさんが一番気に入ったという「タコの踊り食い」は、目の前でさばいてくれるので臨場感たっぷり! 市場には人気の韓国スイーツもそろっています

▶着目ポイント 辛いものだけじゃない?

韓国料理はキムチを筆頭に辛いイメージがありますが、冬が寒く長い韓国において、もともとキムチは保存食。塩漬けや酢漬けが多く、唐辛子を使うようになったのは18世紀ごろと言われています。ちなみに、屋台の定番のおでんは夏でも食べるそう!

★おすすめスポット2
広蔵市場
광장시장/クァンジャンシジャン
ソウル特別市鐘路区チャンギョングンロ88/屋台が並ぶ「うまいもん通り」は午前9時~午後11時、年中無休
https://japanese.visitkorea.or.kr/svc/whereToGo/locIntrdn/rgnContentsView.do?vcontsId=106351

 テーマ3/現代の韓国カルチャーを親子で楽しむ

【韓国のコンビニ大解剖!】

 日常にあるコンビニは、いまの暮らしを感じるのにぴったりの場所です。韓国でおなじみのコンビニチェーン「GS25」が2024年にオープンした“未来型コンビニ”にやってきました。

K-POPやドラマ、映画など世界を席巻する韓国カルチャー。その舞台を本場で体感してみよう。まずは身近なコンビニで、異文化体験!

 店内ではピザやラテアートを作るAIマシンがお出迎え。壁一面には、国民食といっても過言ではない即席ラーメンが並びます。韓国のコンビニでは、カップ麺だけでなく袋麺も店内で調理して食べられるのがおもしろいところ。逆に、日本のコンビニにあって韓国にないものは、トイレとコピー機だそう。

ピザやアイスなど、ロボットが提供するマシンが並ぶ未来型コンビニ「GS25ニューアンニョン仁寺洞店(グラウンドブルー49)」へ。韓国では定番のパウチドリンクも楽しみました
日本ではあまり見ない「即席ラーメン調理器」で、はじめての韓国即席ラーメンづくり。お湯の温度と量を調整してくれます。りおさんは「辛いけど、ハマりそう!」と、おいしさのあまり完食!

▶着目ポイント コンビニのおにぎりを見れば“国民の味”がわかる!

コンビニに行ったら、おにぎりに注目を。ビビンバ味やスパムキムチ炒飯、牛肉コチュジャンなど、日本では見かけない味や具があり、韓国の身近な食材や味が見えてくるはずです。シリアルとセットになったヨーグルトも種類が豊富で人気!

★おすすめスポット3
GS25ニューアンニョン仁寺洞店(グラウンドブルー49)
GS25뉴안녕인사동점/ジエスイーシボ ニュアンニョン インサドンジョム
ソウル特別市鐘路区仁寺洞キル49地上2階/24時間営業/年中無休

【本場のK-POPダンスを体験!】

初めてのK-POPダンスに最初は緊張した面持ちのりおさんでしたが、「だんだん楽しくなってきました」と笑顔に。少しずつ丁寧に教えてくれるので、あっという間に踊りを覚えました

 小学生にも人気のK-POPダンスに挑戦するため、外国人向けの体験教室を開く「REAL K- POP DANCE」へ。プロのダンサーである先生が簡単な英語で少しずつ振り付けを教えてくれるので、「英語を体の動きと合わせて学べていいですね」と母のえありさん。りおさんは「家に帰っても踊りたい!」と曲をチェックして、スタジオを後にしました。

レッスンが終わったら、クラスの修了証がもらえるのも、うれしい!「K-POPダンスはみんなで歌って、まねできるのが楽しいところ。アイドルになりきって踊ってみてね!」(Lina先生)

★おすすめスポット4
REAL K-POP DANCE
ソウル特別市麻浦区楊花路11ギル42
グループレッスンは90分間50ドル(1対1は200ドル)
事前予約制/言語は韓国語と英語
https://www.realkpopdance.com/ja

旅のおわりに

 辛いものやタコの踊り食い、K-POPダンスと、りおさんにとって、はじめての体験が多い旅になりました。ダンスレッスンを英語で受けた影響もあり、旅の終盤に「留学したい」と言い出したのには、母のえありさんもびっくり。帰国後は、現地で気になっていた国旗の意味を調べたようです。

りおさんは、ソウルを歩きながら、気に入った風景や食べ物をカメラで撮影してくれました。帰国後に作った「旅記録ノート」をちら見せ!

 韓国を代表するLCC ジンエアーに乗ってみた

成田国際空港~仁川国際空港

東京をはじめ、日本の主要都市からソウル/釜山路線を運航。各種オプション料金が発生するLCCには珍しく、15kgまでの手荷物を無料で預けることが可能。おみやげをいっぱい買っても安心です!
韓国までのフライトは約2時間半。行く場所を事前に調べて印刷し、機内でゆっくりチェックしました。上空から見た世界、気圧でふくらんだお菓子の袋……、快適な機内も学びの場になりました

ジンエアー
https://www.jinair.com/booking/index

親子ステイにおすすめ!「インスパイア・エンターテインメント・リゾート」に泊まってみた

ホテルだけでなく、カジノやウォーターパークなどのエンターテインメント施設が集まった大型複合リゾート。大人気のオリーブヤングなど約60店舗が並ぶショッピングモールもあり、親子で楽しめます。一日中ゆっくり、リゾートステイを満喫するのもおすすめです
全長150mの没入型デジタルストリートは圧巻! 季節によって変わる幻想的なショーを堪能できます
トランポリンなど、21種類のアトラクションがある施設「バウンス・ザ・ファースト」も。園児から小学生を対象に、さまざまなスポーツやアクティビティで思いきり体を動かせます
韓国初のスライム・テーマパーク「スララ」は子どもたちに大人気! スライムを踏んで楽しむプールや頭から浴びる滝などのアクティビティ、スライムを使ったアート体験やスライムづくりも!

インスパイア・エンターテインメント・リゾート
海外仁川中区空港文化路127/仁川国際空港から無料シャトルバスあり
https://www.inspirekorea.com/ja