校内に足湯がある
そして他校では見ることのできない施設としては、なんと足浴が備わっていること。この施設は、2012年の竣工時から備わっており、当時は「やりすぎじゃないか」との声もあったのですが、これも今考えると先見性がありました。現在の私学で大事にされているのは「居心地良く学ぶこと」。足浴は居心地の良い施設で、他校の追随を許しません。
ちなみに、取材した日は暑かったので、この日は水を張り、高校3年生の皆さんに体験してもらいました。
ただし、中村の本当の魅力は建物ではなく、生徒にあります。
「建物にひかれて本校にやってきた受験生の皆さんは、案内した在校生や教員を気に入って受験してくれますね」と語るのは、同校の教頭・入学対策部部長の江藤健先生。「本校にはいろいろな生徒がいます。明るくて元気な生徒もいれば、おとなしい生徒もいる。ただし、どんな生徒にも居場所があるのが中村です。そして中村の教育をじっくりと受けていくと、生徒たちは人懐こくなり、人に頼るのが上手になります」
実際、取材をしていても、校内の至る所が楽しそうな柔らかい雰囲気に満ちていました。30年以上にわたって私は中村を訪れ続けていますが、この雰囲気はずっと変わりません。入学して中高6年間で育ち、巣立っていった多くの生徒たちも知っています。それゆえ保護者と受験相談をする際にも、中村を「良い私学ですよ」と推薦できるのです。
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