都市部を中心に人気が続く中学受験。首都圏の受験率は2024年、過去最高を更新しました。中学入試や中高一貫校の最新トピックを紹介するAERA with Kids+の連載。今回は、日能研公開模試の志望者データに基づき、2025年の首都圏の志願動向を前年との比較で推定していきます。中学受験情報誌「進学レーダー」前編集長の井上修さん(現・日能研入試情報室室長)が解説します。※学校・試験日別の状況は、それぞれ別記事<【男子編】><【女子編】>で詳しく紹介しています。

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2025年入試は前年同規模に? 

 まず、日能研の公開模試の受験者数からお伝えします。今年2024年11月3日の小学6年生の受験者数は1万1722人。23年11月が1万1777人なので、前年からほぼ横ばい。9月以降もだいたい前年比100%弱程度での推移ですので、この調子でいくと、25年中学入試の規模は、24年とあまり変わらないのではないかと推測できます。ちなみに、24年の首都圏の中学受験者数は6万5600人、小学生に占める受験率は22.7%でした。

2025年入試の概況

 まだ公開模試も途中の段階ですし、具体的に各校の応募状況が出てきたわけでもありませんが、来たるべき2025年入試の全体状況が部分的に見えてきました。

 本稿では全体傾向をみていきましょう。ちなみに、特に共学校は男女で傾向が異なることが多々あることもお伝えしておきます。(※注 以下、●=男子校、○=女子校、◎=共学校、▲=国立大学附属)

(1)埼玉

 近年、毎年のように新しい動きが生じているのが埼玉です。男子では、2024年に開校した◎開智所沢の人気ぶりがとどまるところを知りません。開智学園グループには開智、開智未来、開智日本橋などの学校がありますが、他の系列校で培った経験値を新しい学校に投入し、未来の熱意が説明会で感じ取れるからでしょう。

 女子でも、◎開智所沢が高い人気なのは男子と同様ですが、○淑徳与野が高い人気です。これは都内の○鷗友学園女子や○吉祥女子のようなバランスの取れた女子進学校という枠組みで併願する受験生が増えているからでしょう。

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井上修
進学レーダー前編集長/日能研入試情報室室長 井上修

いのうえ・おさむ/1967年生まれ。91年横浜国立大学教育学部心理学専攻卒業。同年日能研入社。以来継続して入試・学校・教育情報を専門とする。中学受験雑誌「進学レーダー」編集長を経て2024年より現職。著書、雑誌への寄稿多数。

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