中学入試や中高一貫校の最新トピックを紹介するAERA with Kids+の連載。今回は、2025年の首都圏の中学入試結果について、中学受験情報誌「進学レーダー」前編集長の井上修さん(現・日能研教育情報マネージャー)が解説します。
【ランキング】早慶への「合格率」が高い首都圏中高一貫校トップ30(全6ページ)首都圏の中学受験者数は?
2025年の首都圏の中学受験者数が確定しました(日能研推定)。受験者数は6万2200人、受験率は21.5%で、昨年24年の6万5600人、受験率22.7%より、共にやや下降しました。25年の首都圏の小学校卒業生数は28万8951人、24年が28万9201人だったので約250人の微減だったことと、24年秋以降の公開模試の数値から見ても24年並みの受験者数を維持すると予想されていましたが、結果としては少し減っていました。


中学受験者数は、私立中高一貫校+国立大学附属中+公立中高一貫校の受験者を足したものです。複雑なプロセスを経て算出するのですが、今年の減少で大きなポイントは以下二つです。
(1)神奈川・千葉の受験者の減少
(2)公立中高一貫校応募者の減少
神奈川・千葉の受験者が減少
まず、一つ目です。以下は、1都3県の応募者数の総数の変化です。2024年→2025年の順で記します。
この数字は各校の各入試に応募した応募者数の総数ですので、実際に受験をした受験者数の算定に使用するわけではありませんが、1都3県の状況の違いをよく示しています。東京は約6900人、埼玉は約1万4400人も増加していますはが、神奈川約1000人、千葉は約400人減少しています。
1月以降の各私学の応募状況を見ていると、特に埼玉での受験者数の増加、特に開智所沢の高い人気に目が奪われ、さらに都内での従来の中堅校であった一部私学の圧倒的な応募者数から、首都圏全体の中学受験者数も増加し、受験率も増加するのかと思いきや、実は神奈川と千葉では減少局面となっていたのです。
また、神奈川でも一部共学校の人気は高まりましたが、地域による各私学の人気の差もありました。千葉でも、TX(つくばエクスプレス)やJR常磐線沿線の私学の人気がありましたが、総じては減少だったのです。
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