働きながら子育てをしている保護者にとって、夏休み期間中に朝から子どもを受け入れてくれる学童保育所(放課後児童クラブ、以下「学童」)は欠かせない存在です。しかし、夏休みの親子が直面するのが“宿題の壁”。学童保育の運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表で、学童事情に詳しい萩原和也さんに解説してもらいました。

MENU 「弁当の壁」より深刻!? 夏休みの学童で起こる「宿題の壁」とは 「宿題の壁」攻略法とは  保護者の毎日の「進捗確認」がポイント 自由研究、読書感想文… 学童でどうサポートしてもらう?

「弁当の壁」より深刻!? 夏休みの学童で起こる「宿題の壁」とは

 夏休みの学童といえば、保護者がこどものお弁当を準備する「弁当の壁」が問題でしたが、昼食を用意する学童が増え、弁当の壁は徐々に取り払われてきています。一方で、夏休みに学童を利用するこどもと親が直面するのが「宿題の壁」です。夏休みを学童で長時間過ごす子どもの宿題をスムーズに終わらせるため、親が心がけておきたい点は何か、注意点と併せて対処法を紹介します。

 そもそも「宿題の壁」とは? 夏休みを学童で長時間過ごす子どもは、自宅で過ごす子と違って、好きな時間に自由に時間を使って宿題にとりかかることができません。学童はほとんどの場合、スケジュールが決められています。多くの学童では、宿題の時間は確保されてはいますが、時間が限定されているだけに、計画的に宿題をすませていかないと夏休みの終わりごろに、「たまった宿題に取り組まねばならない」事態になってしまいます。また、学童では取り組みにくい宿題もあります。これが学童の「宿題の壁」です。

 そんな「壁」にぶつからないためにも、まず事前に、利用している学童の運営方針を改めて確認しましょう。普段は宿題の時間を確保する程度でも、夏休みの間は職員が宿題の進捗具合を細かく確認してくれるかもしれません。次に、出された宿題の内容を確認しましょう。

「宿題の壁」攻略法とは 

 夏休みの宿題は、主に2つのタイプに分けられます。1つは、プリントやドリル、漢字の書き取りといった「解答・筆写タイプ」。もう1つが、読書感想文や絵、書道、自由研究といった「自由解答タイプ」です。提示された問題を解くタイプと、自らの創造力を駆使して完成させるタイプともいえるでしょう。

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萩原和也
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