続けてB「2月1日午前の欠席率」です。2月1日以前に千葉や埼玉などで合格するなどの理由から2月1日午前の非受験者を足し合わせないといけません。しかしながら当然、実際の非受験率なんてわかりませんから、日能研の受験者数から推定することにします。24年の日能研生の非受験率は11.3%でした(図4)。実はこの数値はあまり変化していません。毎年11~12%程度なのです。
続けてCです。東京・神奈川の公立中高一貫校は2月3日が試験日。私学と併願せず、公立中高一貫校「のみ」を受けた生徒を算出して、足し合わせるのです。ちなみに、単純に東京・神奈川の公立中高一貫校の応募者数を足し合わせると約1万4300人(一般枠のみ)。23年が約1万5600人でしたから、昨年比でなんと約8%も減少していました。
つまり、公立中高一貫校の不人気が首都圏の中学受験者数微減の主たる要因だったのです。
私立中高一貫校と公立中高一貫校の併願は激減
前述した公立中高一貫校「のみ」の受験者の算出にも、日能研での公立中高一貫校受験者数を使用します。2015年からの東京都の公立中高一貫校と私立との併願率の推移をみると、驚くべき勢いで併願率が低下しています(図5)。15年には15.1%でしたが、24年には6.7%まで低下しています。
このような私立と公立中高一貫校の併願率の低下は、日能研に限ったことではなく、他の大手中学受験専門塾でも大なり小なり同様の現象がおきていると、関係者から聞きました。現状としては、高校受験を主体としているような学習塾が、公立中高一貫校受験者の主体となっています。
なぜ私学は人気が続き、公立は応募者が減少したのか
それではなぜ、私立中高一貫校は人気となり、公立中高一貫校は不人気となったのでしょうか。それは以下の4つの要因が考えられます。
①説明会など学校を知るチャンスの少なさ
②教育の硬直性
③施設の古さと柔軟性の欠如
④高校無償化