首都圏に300校以上ある中高一貫校。わが子に合った志望校を選ぶためには、教育方針や校風、進路実績など、それぞれの学校の特徴をよく把握することが大切です。偏差値だけではわからない学校の強みを知るために、首都圏の中高一貫校をさまざまな視点から評価したランキングを見てみましょう。本稿では、理数教育に力を入れている学校のランキングを紹介します。
【ランキング】理数教育に力を入れている中高一貫校はこちら(全2枚)将来に備え「理数系教科に強くなってほしい」
我が子の将来を考えるとき「理系のほうが就職に強そうだから、大学は理系学部に進んでほしい」と望む家庭は少なくありません。実際に、AI(人工知能)が急速に進化し、社会のあらゆる面でデジタル技術の活用が進むなかで、理系人材の需要はますます高まっていくと考えられています。また、医学部や看護学部など、理系学部のなかには職業に直結するものもあります。
「将来に備えて早いうちから理数系教科に強くなってほしいと考えている家庭は多く、中高の理数教育の充実度に対する保護者の関心は高くなっています」(大学通信情報編集部の大野香代子さん)
そこで今回は、「中学受験のプロ」である首都圏の学習塾に「理数教育に力を入れている中高一貫校」についてアンケート調査を行い、303学習塾の塾長、教室長の回答から作成したランキングを紹介します(2024年、大学通信調べ。学校名を5校連記で記入してもらい、最初の一貫校を5ポイント、次を4ポイント……として集計)。


1位は理工系大学の併設校 高大連携のプログラムが充実
1位に選ばれたのは、芝浦工業大柏(千葉県柏市)です。1980年に芝浦工業大の付属高校として開校し、1990年に共学化。1999年に中学校が開設されました。2004年からの第1期、2018年からの第2期に続き、2024年から文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の第3期に指定され、芝浦工業大など校外の組織と連携した教育プログラムの開発や実践に取り組んでいます。大学の設備を一部利用したり、第一線で活躍する研究者からアドバイスを得たりと、理工系大学の併設校ならではの利点を生かした教育を行っています。課外活動として、より発展的な課題研究に取り組む生徒を支援するため「サイエンス研究会」を設け、日本学生科学賞やJSEC(高校生・高専生科学技術チャレンジ)、国際科学オリンピックなどの科学技術や理数系コンテストへの参加を奨励しています。
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