3月25、26日に東京・下北沢で開催された「民主主義ユースフェスティバル2023」
3月25、26日に東京・下北沢で開催された「民主主義ユースフェスティバル2023」

 北欧の選挙カルチャーをモデルに、日本で初の選挙小屋が設置された。若者の政治参加を促す取り組みが広がっている。AERA 2023年5月15日号より紹介する。

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 フィンランドをはじめ、北欧の選挙を取り巻くカルチャーをモデルに、日本でも若者の政治参加を促す取り組みが始まっている。

 今年3月25、26日に東京・下北沢で開催された「民主主義ユースフェスティバル」もその一つ。実行委員会の中心的役割を務めたのは一般社団法人日本若者協議会のメンバー。同団体は若者の声を政治に反映させることを目指して2015年から活動を始め、政策提言などを行ってきた。

 代表理事の室橋祐貴さん(34)は、22年秋にスウェーデンの総選挙を視察。そこで感じたのが、「政治家と国民の距離の近さ」や「信頼関係」だったという。

 日本でももっと気軽に社会課題について話したり、政治家と対話したりする場を──。そんな思いで同フェスを企画し、日本で初の選挙小屋を設置した。政治家との対話ブースや音楽ライブも盛況で、大雨にもかかわらず3千人を超える参加者が来場したという。

 また、政治分野のジェンダーギャップを解消しようとFIFTYS PROJECT(フィフティーズプロジェクト)を立ち上げたのは一般社団法人NO YOUTH NO JAPAN代表理事の能條桃子さん(25)。能條さんは若者の投票率が80%を超えるデンマークに留学したのをきっかけに、U-30世代に向けて政治や社会について行動する入り口となるような情報発信をインスタグラムで行っている。統一地方選では同プロジェクトから全国12都道府県の27人の立候補者をサポートした。活動継続のため、5月末までクラウドファンディングで支援を募っているほか、マンスリーサポーターも募集中だ。(ライター・高橋有紀)

AERA 2023年5月15日号より抜粋