■長友選手も血糖値管理

 こうしたことを防ぐため、二の腕に血糖値測定器を付けて走る駅伝選手もいる。サッカーの長友佑都選手(36)も血糖値を管理し、昨年のワールドカップ・カタール大会で日本代表として活躍した。山田医師は長友選手のサポートをしている。

「長友選手はパフォーマンスの低下や体調不良を感じて、食事のコントロールを始めました」

 ただ、食後高血糖は自覚しづらい。中国の研究では、10万人の食後血糖値を測ると、成人の2人に1人が血糖異常者だった。健診の結果は正常値だとしても、健診は空腹時の採血の結果だ。まずは自分の体質を知ろう。

「血糖値測定器を付けると、どの程度まで血糖値が上がるかわかります」

 もっと手軽に確認する方法も。

「調剤薬局の検体測定室で1回500円程度で血糖値を測ることができます。おにぎり2個と野菜ジュースを食べ始めて1時間後に計測してみてください。140を超えれば、食後高血糖です」

 もし140を超えたら。

「白ご飯を半分以下にして、おかずをしっかり食べましょう。間食したいときは低糖質なデザートを選んでください。(糖質を適正量にする)ロカボな食生活を送れば、血糖値の乱高下は起きにくくなります」

 血糖値の乱高下は、もちろん一般の人の健康にとってもよくない。乱高下が続くと、体に害を及ぼす。山田医師は言う。

「ドミノが倒れるように、動脈硬化症や認知機能の低下、発がんのリスクが徐々にやってきます。若くて運動していても、リスクがあります」

(編集部・井上有紀子)

AERA 2023年1月30日号